2021 Fiscal Year Research-status Report
縦型スピンデバイスに向けた(111)B上MnAs/III-V/MnAsヘテロ構造
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21K04173
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
赤堀 誠志 北陸先端科学技術大学院大学, ナノマテリアルテクノロジーセンター, 准教授 (50345667)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分子線エピタキシー / MnAs / InAs / 縦型ゲートオールアラウンド |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体デバイス分野では高機能化・高集積化のため、縦型ゲートオールアラウンドFET(GAA-FET)が近年検討されている。スピンデバイスについても縦型GAAの検討は重要と考えられる。そこで本研究では、表面・基板側ともに強磁性体MnAsを有し、その間にIII-V半導体が挿入されたMnAs/III-V/MnAsヘテロ構造の結晶成長を行い、成長条件や膜厚・層構造に対する構造評価や電気・磁気特性評価を系統的に行う。さらに、それらヘテロ構造を利用して、縦型スピンデバイス作製技術の確立とデバイス特性評価を行い、特に縦型・短チャネル化によるスピン緩和抑制について検証する。以上を本研究の目的としている。 初年度は、MnAs/InAs/MnAsヘテロ構造の分子線エピタキシー(MBE)成長条件の確立と、縦型スピンデバイスプロセス条件の確立を進める予定であった。 MBEを用いてGaAs(111)B上にMnAsを250℃程度の低温で成長し、その上に数100 nmから数1000 nm厚のInAs薄膜と表面側MnAsの連続成長を試みる予定であったが、MnAs成長にとどまり、InAs薄膜の低温MBE成長には至らなかった。一方でInAs低温成長の一つの方法として、マイグレーション促進成長に着目し、その準備を進めている。 デバイスプロセス条件の確立については、ポスト構造形成を含めて、反応性イオンエッチング(RIE)・マスクレス露光(MLA)・電子線リソグラフィー(EBL)・ガス電界イオン源集束イオンビーム(GFIS-FIB)装置を利用して行い、結果を得ている。しかしながら、原子層堆積(ALD)・スピンオングラス(SOG)材料を用いた埋め込みの検討には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大学院生の員数が少なく、またMBEポンプの不具合などもあり、MBEを用いた試料作製が思いのほか進まなかったため、全体として遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究室に大学院生が複数名配属されるため、MBEを用いた試料作製や埋め込みプロセスの確立が進むものと期待される。そして、作製したヘテロ構造上で縦型スピンデバイスプロセスを進め、まずはゲートオールアラウンド(GAA)のない2端子の縦型スピンバルブ素子の作製を行う。
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Causes of Carryover |
大学院生の確保が十分にできず、実験消耗品や実験補助謝金の支払いがなくなったこと、新型コロナ感染症予防のため学会出張がなくなったことが主な理由である。その代わりに、不調の真空ポンプや純水装置の更新・修理ができたことは幸いであり、次年度につながるものと考えている。
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Research Products
(4 results)