2022 Fiscal Year Research-status Report
Sustainable infrastructure monitoring platform
Project/Area Number |
21K04177
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金谷 晴一 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (40271077)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エネルギーハーベスティング / 平面アンテナ / インビーダンス整合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまで効率的に再利用されることが少なかった放送や通信などで放射されたマイクロ波に着目し、マイクロ波を電源とする「持続可能インフラ監視プラットフォーム」を実現することである。これまで知られているインピーダンス整合回路は、負荷インピーダンス値の複素共役となるように設計され、伝達される電力が最大となる。しかしながら申請者が提案する整合回路は、出力側が直流回路であることに着目することで、インピーダンスの複素数の概念を取り除き、電力ではなく電圧振幅のみを整合させる新たな回路である。 本年度は広帯域で動作する平面アンテナを開発した。アンテナの構成として、回路との整合性がより差動入力によるダイポールアンテナを基本とした。差動回路の一方をエネルギーハーベスティング回路の+側、もう一方を-側に接続することで、理論上2倍の出力電圧を得ることが可能となった。小型化のためにダイポールアンテナの一部をL型に折り曲げることとした。また、ダイポールアンテナから分岐するメタル配線をループ状に形成することで、動作周波数の異なるループアンテナを実現した。さらに信号入力部にマイクロストリップスタブを2本挿入することにより、広帯域なインピーダンス整合回路の実現に成功した。これにより、広帯域化が実現できた。アンテナの基板は多くの電子機器において標準で使用されているFR4基板とした。比誘電率は約4である。アンテナの設計には三次元電磁界解析ソフトを用いて、基板誘電率、誘電損失、及びメタル層の低効率等を詳細にモデル化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した計画の通り平面アンテナが実現できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
提案したアンテナと初年度に実現した整合回路一体型コッククロフトウォルトン回路昇圧整流回路を一体化し動作確認を行う。
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Causes of Carryover |
一部の学会がオンラインになったことにより出張旅費の支出が減ったため。なお、今年度得られた成果は次年度開催される国内学会、及び国際会議において発表の予定である。
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