2023 Fiscal Year Research-status Report
Modeling of Stochastic Behavior of ReRAM Devices for Neuromorphic Applications
Project/Area Number |
21K04186
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
鎌倉 良成 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (70294022)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ReRAM / 回路シミュレーション / 時系列解析 / 深層学習 / パラメータ抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
抵抗変化型メモリ(ReRAM)の回路シミュレーション用コンパクトモデルの開発を進めた。ニューロモルフィックコンピューティングにReRAMを活用する際要求されるアナログメモリとしての特性再現を主要目的とし、ReRAMの動作機構が本質的に内在する「ゆらぎ」の統計性、特に書き込み・消去サイクル毎の特性ばらつき(C2C変動)の時系列分析に基づくシミュレーション・モデリングを実施した。 例えばいくつかの先行研究において、擬似乱数を用いてReRAM特性のC2C変動を模擬する回路シミュレーション用SPICEモデル等がこれまで報告されてきたが、そこでは時間相関が考慮されておらず、より現実的な時系列モデルが求められていた。そこで本研究では、観測したC2C変動の振る舞いを回路シミュレーションに反映することを念頭におき、ReRAM電流-電圧特性の時系列統計解析結果をSPICEモデルに取り入れるための方法論を構築した。また、そこでの一連の解析に膨大な計算時間を要することから、その作業過程を効率化するため、深層学習を用いて大量の実験データから高速にSPICEパラメータを抽出する手法を提案し、その有効性を確認した(本研究グループ内での比較であるが、Levenberg-Marquardt法を用いた一般的なパラメータ最適化法を用いた場合と比べ、約60万倍の高速化を達成した)。 これらの検討を積み重ねた結果、ReRAMのサイクル特性に関する実測データの時系列統計解析に基づき、現実的なC2C変動を取り入れた回路解析を実行できる新たなシミュレーションフレームワークを構築することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画で主要目的として掲げた、ReRAMのC2Cゆらぎを反映した回路シミュレーション用コンパクトモデルの開発は概ね達成できたが、その成果報告は、国内学会・研究会での発表にとどまっており、外部に詳細を広く公表した状況とは言えない。さらに、当初副次的な目的として挙げていた「スパイキングニューラルネットワークの簡単な回路動作実験を行い、提案モデルによるシミュレーションとの比較を行うことで、ReRAMの特性ゆらぎが脳型コンピューティングに与える影響について考察する」課題については、未だ不十分な進捗にとどまってる状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
ReRAMのC2Cゆらぎを反映した回路シミュレーション用コンパクトモデルに関する研究成果をまとめ、国際会議または原著論文として発表する。さらに、このコンパクトモデルを利用して、ReRAMを応用したニューロモルフィック回路のシミュレーション解析を行い、C2Cゆらぎがその動作に与える影響を評価する。
|
Causes of Carryover |
研究成果を公表するための学会参加費・旅費、あるいは論文投稿料などを計上していたが、そのための準備が間に合わず、使用しなかった。これらの繰越額を、研究成果の公表に用いる計画である。 さらに、スパイキングニューラルネットワーク等のReRAMニューロモルフィック回路の簡単な動作実験を行う際に必要となる消耗品類を購入する予定である。
|
Research Products
(1 results)