2023 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分析デバイスよる細胞外シグナルの計測およびその細胞の未来予測
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21K04194
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 義賢 大阪大学, エマージングサイエンスデザインR3センター, 特任准教授(常勤) (40408993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 政道 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40192588)
水木 徹 東洋大学, バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター, 研究助手 (80408997)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プロトン / 分析デバイス / 細胞接着 / 毒性 / 金属ー絶縁体相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞が周辺へ放出するプロトン(H+)そして、それにより生じる局所領域のpH変化を検出できるNdNiO3(NNO)材料を用いた分析デバイスの作製・評価を目的として次の2つの実験を実施した。 1)NNO材料に対する細胞接着と毒性の確認として、SiO2基板、LaAlO3 (LAO)基板、NNO/LAO基板上にwellを有するPDMSを貼り付け、その中へ細胞を培養液とともに播種を行った。細胞培養によく用いられるSiO2と比較して、NNO材料表面に接着した細胞数は2-3割ほど少なかったが生存率は同等、または、わずかに高く、細胞接着と毒性は従来の環境とほとんど変わらないといえ、NNO材料を分析デバイスに用いることが可能であることを示した。 2) NNO/LAO基板に電極形成や素子分離の工程を行い、wellを有するPDMSを貼り付けてNNO分析デバイスとした。そして、well中の溶液からのプロトンのNNO膜中への取り込み、それによる電流の経時変化を調べた。今回得られた電流変化は、材料特性の金属-絶縁体相転移に由来し、溶液中のプロトンがNNO膜へ取込まれたことにより生じたと考えている。 一方で、計画当初予定していた材料では細胞培養液下で材料の腐食が生じたため代替材料の検討が必要となり、その結果としてNNO材料を用いた。そのため、プロトン取込による電気抵抗率の時間応答性や変化量(感度)が、細胞活動を計測するために十分かについてを検討できていない。これらの特性評価については引き続き取り組んでいく。
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