2022 Fiscal Year Research-status Report
ハイパーサーミア・シミュレーションに向けた大規模並列連成計算
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21K04200
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
河合 浩志 東洋大学, 総合情報学部, 教授 (00616443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武居 周 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40598348)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 領域分割法 / 並列有限要素法 / 高周波電磁界解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、これまで推進してきた電磁界解析ー熱伝導解析の並列大規模マルチフィ ジックス計算の研究開発をもとに、強力集束超音波 (High Intensity Focused Ultrasound: HIFU)も対象とする、患者固有の高精細な人体解剖データを直接用いることが可能な、癌温熱療法(ハイパーサーミア)シミュレータを開発する。そのために、Partition-of-Unity FEM (PUFEM)による高精度かつ高速な電磁界の数値解析手法を提案し、また、電磁界、超音波、熱伝導解析向けの領域分割型並列計算ライブラリにより各物理計算機能を統一的に構築する。さらに、各物理計算を接続する並列Couplerにより、超高精細な患者のデータを直接用いるマルチフィジックス計算技術を創成する。医療現場で用いる小型のPCクラスタで 稼働可能な温熱療法の治療予測技術の実現により、電磁界温熱療法とHIFUによる治療予測、 さらに電磁界とHIFUを併用する新しい治療法構築への展開も期待できる。 今年度も引き続きハイパーサーミアシミュレーションに用いる熱伝導解析コード並びに電磁界解析コードの並列計算機環境上での最適化を実施した。具体的には領域分割法における前処理アルゴリズムのチューニング、ならびに部分領域ソルバの疎行列対応を行い、一定度の性能改善効果を確認した。 また、今年度はこの研究成果をもとに、査読付きジャーナル論文3件をはじめとする論文の刊行、および、日本シミュレーション学会主催の国際会議JSST2022において4件の研究発表を行い、また、研究分担者と共同でOSを主催する等した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響があるなか,徐々に対面での共同開発作業が再開でき,また,一部オンラインミーティングツール等を活用することで当初の計画通りに研究推進できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、本研究において開発した並列電磁界解析コードの富岳などのスーパーコンピュータ上での最適化をはじめとする調整,および部分領域問題に適用する直接法に並列化された疎行列直接法を導入する等による高性能化開発を進める.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響が続いたことにより、当初予定していた研究打合せ、学会発表がオンライン開催となり、これらにかかる旅費が不要となったため次年度使用額が生じた。 これらは、次年度に研究打合せ、および学会発表や論文刊行のために支出することを計画している。
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