2021 Fiscal Year Research-status Report
閉じ込め構造圧電装荷デバイスによるレーザ誘起強力弾性表面波発生と皮内投与への挑戦
Project/Area Number |
21K04202
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
會澤 康治 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40222450)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レーザ / 表面弾性波 / 圧電体 / 皮内投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、薬剤透過を促進できる強力な弾性表面波の発生と人工皮膚表面への高効率な物質導入を可能にするデバイスの開発を目的とする。また最終目標として、ヒト皮膚表面への強力弾性表面波印加による低侵襲かつ高効率での薬剤の皮内投与へ挑戦する。このような目的・目標に対して本研究では、①弾性表面波発生に有効な圧電膜をもつプラズマ閉じ込め構造、②パルスレーザを照射したときに圧電体表面に発生・伝搬する弾性表面波の特性、③圧電体表面を伝搬する弾性表面波の皮膚表面への結合方法、④弾性表面波が印加された皮膚表面の物質透過性、などを補助事業期間内に明らかにする。 令和3年度は、当初の研究実施計画を変更して、①~④を実施するためのリングレーザ光学系および弾性表面波検出系の構築を優先した。構築したリングパターン光学系は、1枚の平凸レンズ(Sigma, SLB-25-4100PM)と1枚のアキシコンレンズ(Thorlabs, AX2510-A)からなり、直径10mmのレーザ光を外径10㎜、幅0.14㎜のリング状に変換できる。なおリング幅は平凸レンズをレーザ装置側に移動することで幅0.7mm程度まで変えることができ、リング外径はアキシコンレンズの調整により可能となっている。これにより弾性表面波の増強実験実施が可能となった。また既設の三軸移動ステージ上に新たに購入した回転ステージと高感度検出器(ジャパンプローブ社製エアプローブ、フラットタイプ、HAR 0.6K14×20N)を設置することで、試験体表面に対する検出角度を0度~45度程度まで可変できる弾性表面波検出系を構築した。さらにこの高感度検出器を用いることで、ピーク強度20 Pa程度のレーザ誘起空中超音波をアンプなしでも十分な感度で検出できることを確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において表面弾性波は既設のQスイッチパルスレーザ(波長532 nm、パルス10 ns、最大パルスエネルギー200 mJ)をプラズマ閉じ込め構造を有する圧電膜表面に照射することで発生させるが、弾性表面波を増強する試みとして、令和4年度に実施予定であったリングビーム光学系の構築を先行して実施した。またこの光学系のレーザ強度を計測するために新たに購入したエネルギディテクタ(Gentec, QE25LP-S-MB-D0)を取り付けた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、前年度に構築したレーザ光学系および弾性表面波検出系を使って、弾性表面波発生に有効な圧電膜をもつプラズマ閉じ込め構造およびパルスレーザを照射したときに圧電体表面に発生・伝搬する弾性表面波の特性などについて重点的に調べる。具体的には、音響インピーダンスや弾性が皮膚に近い圧電材料(ポリフッ化ビニリデン)を使用して、材質や寸法の異なるレーザ吸収体と透明媒質を使ったプラズマ閉じ込め構造を製作し、そこに既設のQスイッチパルスレーザを照射して圧電膜表面に発生する弾性表面波の強度と波形形状を計測して、デバイス構造やレーザ強度の違いにより発生する弾性表面波の伝搬特性を実験的に明らかにする。さらにリング状のレーザビームをプラズマ閉じ込め構造圧電装荷デバイスに照射してリング中央付近での衝突による弾性表面波増強を試みる。
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Causes of Carryover |
研究開始時には、弾性表面波発生に有効な圧電膜をもつプラズマ閉じ込め構造およびパルスレーザを照射したときに圧電体表面に発生・伝搬する弾性表面波の特性などについて調べる予定でいたが、令和4年度以降に実施する実験系の構築を優先する計画に変更したため、当初予定していた材料費等の消耗品費相当額が次年度使用額として生じた。
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Research Products
(1 results)