2021 Fiscal Year Research-status Report
コンクリート構造物の施工に伴う空気量の変化と耐凍害性に関する研究
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21K04209
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小山田 哲也 岩手大学, 理工学部, 准教授 (70361045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽原 俊祐 岩手大学, 理工学部, 嘱託教授 (10400178)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スケーリング抵抗性 / コンクリート / トンネル二次覆工 / 連行空気 / 気泡径分布 / 運搬 / 圧送 / 締固め |
Outline of Annual Research Achievements |
助成金を用いて気泡径分布測定装置を購入した。顕微鏡とデジタルカメラ,ライトを用いて,コンクリート表面の顕微鏡画像を取得し,コンクリートに含まれる空気泡の気泡径とその数を解析できるものである。 これまでに岩手県内の復興支援道路のトンネル工事の施工業者と東北地方整備局の協力を得て,購入した機器を用いてコンクリート中の空気量を測定した。結果を要約すると以下の通りである。 コンクリート構造物のスケーリング抵抗性確保の実用的な検討のため,トンネル二次覆工に実際に打ち込んだコンクリート表面を対象として各工程に伴うコンクリート中の空気量の変化とそれらのスケーリング抵抗性を検討した。その結果,二次覆工コンクリートの硬化後に残る空気量および気泡径分布は,各種工程の影響を強く受け,運搬では微細気泡が増え,圧送では微細空気が減り,締固めでは気泡径分布が粗大側にシフトする傾向があって,微細空気が多く残るコンクリート程,スケーリング抵抗性が良好であることが分かった。また室内と実機との比較を行った実験では,コンクリート中の気泡径分布が相違し,スケーリング抵抗性に影響があることも判明した。 得られた成果は,日本コンクリート工学会コンクリート工学年次論文集Vol.44に「施工の各種工程がトンネル覆工コンクリートの連行空気とその耐凍害性に及ぼす影響」と題して投稿して採択され,7月に発刊される予定となっており,論文には科研費の助成を頂いたものと明記している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東北地方整備局が岩手県内で発注した工事が近隣にあって,研究に賛同いただいて協力をえることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
トンネル,橋梁上部工,橋梁下部工,函渠,二次製品など連行空気が異なると思われる構造物の現場での空気量を確認して,現状認識を行うとともに,コンクリートの耐凍害性に対する抵抗性を持つコンクリートの材料,構造および施工の注意点を明らかにする。
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Causes of Carryover |
分担者がコロナ禍で移動できず,打合せをオンラインで行い,旅費を使わなかったため。
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