2023 Fiscal Year Annual Research Report
含水率の影響を受けない表面吸水試験によるコンクリート構造物の耐久性評価手法の確立
Project/Area Number |
21K04210
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
細田 暁 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (50374153)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 表面吸水試験 / コンクリート構造物 / 耐久性 / 吸水抵抗性 / 水密性 / 含水率 / 品質評価 / 打継目 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らが開発したコンクリート構造物用の表面吸水試験(SWAT)は、完全非破壊でコンクリート構造物の吸水抵抗性を評価できる。吸水試験はコンク リートの含水率の影響を大きく受けることが、広い普及を阻んできた。申請者のこれまでの研究により、SWATの測定結果がほとんど含水率の影響を受けない含水 率の範囲があることが分かり、その範囲でコンクリート構造物の吸水抵抗性を評価する品質評価法を提唱してきた。 令和5年度は、日本非破壊検査協会規格のNDIS 3440として、コンクリートの非破壊試験(水分浸透抵抗性試験)の規格の原案を取りまとめ、原案作成委員会の 委員長を研究代表者が務めた。NDIS 3440の中に表面吸水試験の試験規格が含まれ、これまで研究代表者らが研究を重ねてきたSWATの信頼できる計測結果を取得 するための方法が記載された。規格は令和5年度に完成し、発刊された。 NDIS 3440には、表面吸水試験の試験方法は規格化されるものの、表面吸水試験から得られた結果を用いてコンクリートの品質を評価する方法は記載されな い。品質の評価方法は、含水率の影響の考慮の仕方を含めて、研究論文で公表したり、学会等の規準類で品質評価方法を規定していくことになる。その際に、本 研究の成果が活用されることを期待している。令和5年度は、トンネル覆工コンクリートの緻密性を評価した。 過去の研究では、吸水抵抗性の評価指標として、10分時点での表面吸水速度を使用していたが、より簡便に取得できて、物理的な意味も明確な新たな指標であ る表面吸水係数を提案した。本研究において、表面吸水係数を用いて、コンクリートの打継目での吸水抵抗性や、補修材と母材コンクリートの界面の水密性を評価し、改質材を界面に塗布することによる吸水抵抗性の改善の効果を定量的に評価できた。
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