2021 Fiscal Year Research-status Report
確率論を導入したマスコンクリートの新たなひび割れ照査方法の提案とその普及
Project/Area Number |
21K04214
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中村 秀明 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (20207905)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マスコンクリート / 温度ひび割れ / ひび割発生確率 / ひび割れ指数 / 確率有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
土木学会コンクリート標準示方書において、マスコンクリートのひび割れ照査方法が1986年に初めて示されてから、既に30年余りが経過し、安全係数(ひび割れ指数)とひび割れ発生確率の関係図を用いたひび割れ照査方法が一般的に用いられている。このコンクリート標準示方書に示されているひび割れ発生確率図を用いる方法は、生コン工場や施工者などの創意工夫(材料や施工の高度な品質管理等)を考慮できない。 なぜなら、ひび割れ発生確率は、ひび割れ指数により一義的に決まってしまうため、いくら品質管理された、良い材料を使い、良い施工を行ったとしても、ひび割れ指数が変わらないため、ひび割れ発生確率は、同じ値となる。確率論的にひび割れ発生確率を考えると、ひび割れは、引張応力が引張強度を越えた場合に発生するものであり、それらのバラツキを考えて、引張応力が引張強度よりも大きくなる確率をひび割れ発生確率として算定するのが自然である。 そこで、本研究では、マスコンクリートにおけるひび割れ照査方法として、確率論に照らして、合理的で、説明性が高く、材料管理や施工における品質管理等を加味できる、より広範囲で、汎用的な新たなひび割れ照査方法を提案し、その普及を試みる。 確率論をベースに照査を行うために、温度解析や応力解析で用いる入力値の統計量(分布形状やバラツキ具合等)が必要不可欠である。そこで、令和3年度は、これら入力値の統計量(分布形状、バラツキ等)を国内および海外で詳細に調査し、入力値の統計量を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マスコンクリートの温度ひび割れに関する論文が、インターネットでの検索で比較的容易に行えるため、国内外で、予想以上の論文を収集できており、データベース化が行えた。そのため、令和3年度の目標である入力値の統計量(分布形状、バラツキ等)を明らかにできており、研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、調査した統計量の取り纏めを行うとともに、広く普及するため、データベースの整備と公開を行う。さらに、確率有限要素法により、不確定性を考慮した3次元温度解析プログラムを作成する。この解析プログラムは、節点温度の期待値とバラツキを計算することが可能であり、さらに、それぞれの入力値が、解析結果にどの程度の影響を与えているかを把握するための感度の計算も可能である。感度をもとに、入力値の重要度を把握することができる。
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Causes of Carryover |
令和3年度は、新型コロナウィルスの感染拡大により、調査のための出張が行えず、旅費を使わなかった。令和4年度は、令和3年度に行えなかった調査を行う予定である。
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Research Products
(2 results)