2021 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を用いた建設現場の労働環境・生産性データ収集分析システム構築
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21K04218
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
五艘 隆志 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 准教授 (60412441)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ワークサンプリング / 加速度情報 / 位置情報 / 時刻情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における開発には,大きく分けて①センサーを付加した端末のハードウェアおよび入出力ソフトウェア開発と,②センサーから得られたデータを自動的に統合・分析するソフトウェア開発の2つが必要となる。開発①については,先述の各センサーを一体化した端末をヘルメットに装着(あるいは埋め込む)するといった形を最終形として想定しており,これは最終年度を目途とした開発となる。なお,現段階では開発②との同時並行的な開発プロセスにあることから,スマートフォンをデータロガーとし,市販センサーをBluetoothで接続した簡易型の端末を準備して位置,加速度,温湿度等のデータを取得している。 開発②として当初開発したシステムではセンサーから取得した各種データを一括して機械学習(Support Vector Machine : SVM)を活用して自動分析することを志向した。これを2021年10月および12月に共同研究先企業が施工する舗装工事現場にて適用を試みたところ,センサー付端末にて取得したデータに基づく自動ワークサンプリング結果と,人手によるワークサンプリング(マニュアルサンプリング)の結果に乖離が見られ,この乖離を機械学習のみで解決することは困難と判断した。 その後,方向性を転換し,機械学習を活用した事前判別フェーズとルールベースの生産性区分判別フェーズに分けたシステムとして再構築した。その結果,全体としての正解率は手元作業員で43.9パーセント,オペレータ補助で67.0パーセントとなるなど課題を残しているものの,精度の向上は確認できた。2022年度以降は,このシステムを建設現場で取得したデータに適用し,その分析精度の確認を行うこととしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度の前半に想定していた共同研究先企業が施工する舗装工事現場におけるデータ取得について,コロナ禍により現場入場制限のある箇所もあり,調整が難しく実施に至らなかった。同年度後半から入場制限が解除されたので実施できた。 併せて2021年度内に想定していた上記開発①に関連するソフトウェア開発についても,必要な入出力情報の設定が上記の現場に入場できない状況から遅れ,2022年度前半にずれ込む予定となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画そのものの変更は想定していない。2021年度の成果としては,上記開発①の基盤としてデータ取得が可能なハードウェアを準備できたことと,開発②の分析が一通り実施できるまでのシステムの枠組み構築,個別分析ソフトウェアの開発,データ取得ワークフローの確立であったと捉えている。事前判別システムにおける各判別・推定による分析誤差や,各種閾値の設定,最後のルールベースによる判断基準の設定など,まだまだ確認および改良の余地を残しており,今後も教師データとしての現場データの蓄積とシステム改良(分析精度向上)に取り組んでゆく所存である。
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Causes of Carryover |
2021年に想定していた建設現場でのデータ取得について,コロナ禍での現場入場関連の調整が約半年遅れ,2021年度に想定していたセンサーからの入出力ソフトウェア開発の仕様策定も遅れることとなった。これを2022年度前半に執行することを予定している。
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Research Products
(2 results)