2023 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement on bond and anchorage properties of carbon fiber plastic rods in prestressed concrete structures
Project/Area Number |
21K04219
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 泰司 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40377221)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | FRP / プレストレストコンクリート / 付着 / 定着 |
Outline of Annual Research Achievements |
FRPロッドをプレストレス用緊張材としてコンクリート中に定着させるために、今年度は金属製くさび型定着具による定着力の試験を実施した。基本ケースとしてφ12.7mm7本よりのCFRPロッドに一般の鋼製定着具を使用した場合の引抜き荷重は5kNであり、破断荷重の100kNに比べて遥かに小さな値となり、定着力が不足することが確認された。また、付着力を増強するために表面にケイ砂を付着させた場合には最大荷重が16kNまで増加した。さらに定着具を連結することによって定着力は増加したものの30kN程度で頭打ちとなった。その原因について考察した結果、弾性係数の違いや表面形状の違いによって有効な付着面積が確保できないことがひとつの原因と考えられた。有効な付着領域を広げる方法として、FRPと鋼製定着具の間に、鋼よりも柔らかい金属シムを挟んで緩衝させることを着想し、その効果を実験した。金属シムとしては錫、銅、アルミ、鉄板を選定した。引き抜き試験の結果、最大荷重はアルミで最大となり、その他の金属ではシムによる影響はほとんど観察されなかった。次にFRP表面にケイ砂を接着させる際の接着剤の影響を検討した。ゴム系接着剤とシアノアクリレート系接着剤で比較を行ったところ、シアノアクリレート系接着剤では顕著な定着力な増強効果が得られた。ただし、定着力の最大値は50kN程度であり、連結による増強が得られなくなること、直線部で早期破断が生じるようになることから、定着システムの確立にはさらなる工夫と検討が必要である。 本研究ではFRPロッドの機械的定着具の開発を行った。φ12.7mm7本より線に対してプラスチック製の定着具および鋼製の定着具のそれぞれに対して引張強度の約50%の定着力を有する定着システムを開発した。より定着力の高いシステムの開発が今後の検討課題である。
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