2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of loading capacity evaluation method considering dispersion of material deterioration
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21K04221
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
三方 康弘 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60434784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麓 隆行 近畿大学, 理工学部, 教授 (30315981)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ASR / ひび割れ / X線CT / 拘束 / 耐力評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
はり供試体を用いた検討では,サイズの異なる2種類,小型供試体(断面幅100mm×高さ200mm,全長1800mm),中型供試体(断面幅200mm×高さ200mm,全長1800mm)のはり供試体を2021年度に製作し,2022年度はASRによるひび割れの観察,はり供試体表面に添付したコンタクトチップによる表面ひずみの計測,鉄筋ひずみの計測しASRの膨張挙動の経過観察を行った.また,小型はり供試体の載荷試験を実施後にはり供試体からコアを採取しX線CT撮影を実施し,以下の結論を得た. (1)はり供試体から採取したコアを観察すると,荷重によるひび割れと並行した微細なひび割れが多く確認され,ASR劣化によって生じていたひび割れが載荷によりさらに拡大したと推定された. また,モルタル供試体に対して,側面拘束と上下(縦)拘束など拘束方法を変化させたモルタル供試体を2021年度に製作し,2022年度は膨張挙動の計測とX線CT撮影を行い,側面または縦方向から拘束を受けたモルタル供試体内部で生じたASR劣化による膨張箇所の大きさや形状を詳細に検討し,以下の結論を得た. (1)長さ変化率や拘束治具の変形の原因となるASR劣化による供試体内部の膨張箇所の特徴を,X線CT画像を用いた3次元画像計測により示せた.(2) 無拘束の場合や縦拘束された場合に,側面で垂直方向にひび割れが生じて水分が侵入し,側面から20mmほど内部での膨張が大きくなった.(3) 縦拘束された場合は水平方向への膨張が卓越し,垂直方向への膨張はほとんど生じなかった.(4) 側面拘束では側面で生じるひび割れが少なく,ゆっくりと水分が浸透した結果,内部で均等に膨張が生じることで,結果的に無拘束よりも膨張する可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
はり供試体の研究結果は,学術雑誌 材料に論文が掲載された.また,モルタル供試体内部の研究成果は,第77回セメント技術大会(一般社団法人セメント協会)やコンクリート構造物の補修,補強,アップグレードシンポジウム(公益社団法人日本材料学会)にて発表予定であり,順調に進展していると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,2021年度,2022年度の研究成果を踏まえて,下記の課題に取り組むこととする. (1)X線CT撮影により部材内でのASRによる材料劣化の空間的ばらつき要因の把握と空間的ばらつきの評価指標を提案する.(2)材料劣化の空間的ばらつきが耐荷特性に及ぼす影響について把握する.(3)ひび割れの評価指標に基づいたASR劣化コンクリートの圧縮モデルを提案する.(4)材料劣化の空間的ばらつきを考慮した構造性能評価手法を構築する.
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Causes of Carryover |
2022年度のモルタル供試体のX線CT撮影にかかる消耗品支出が想定より少なくなったが,2023年度にはり供試体の載荷試験やコア採取したコンクリート供試体やモルタル供試体のX線CT撮影を予定しており,物品費として執行予定である.
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