2022 Fiscal Year Research-status Report
Durability Assessment of Concrete Structures by Using Non-Destructive Sensing Robot
Project/Area Number |
21K04228
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
蔵重 勲 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 主任研究員 (20371461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 完 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (70221679)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 維持管理 / 非破壊試験 / ロボットセンシング / 予防保全 / 品質 / バラツキ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,コンクリート構造物の合理的な予防保全型維持管理体系の確立を支援することを意図し,高度ロボットセンシングシステムを構築し,実構造物の品質・状態のバラツキを把握するとともに,その活用法を見出すことを目指している。研究の3本柱として①ロボットセンシング技術の開発,②構造物中の劣化リスク分布の評価,③品質・状態のバラツキ成因分析を挙げ検討を進めている。 初年度の検討では,コンクリート壁面を高速移動かつ長時間の静止吸着が可能なロボットとして,大容量排気ブロワーと真空ポンプを併用した壁面移動ロボットを開発した。鉄筋コンクリートの耐久性を左右する要因は多く挙げられるが,最も支配的な因子は鉄筋のかぶり厚であり,既存構造物の予防的維持管理ではその把握が重要となる。したがって,開発ロボットに搭載する非破壊試験装置として,まず鉄筋探査装置に着目し,さらに小型軽量である電磁誘導式装置を対象に搭載方法を検討し,ロボットの改良検討を行った。 また,開発ロボットの移動制御や非破壊品質評価の実証検討を行うため,鉄筋をかぶり厚10,30,50mmと変化させてそれぞれ配置した開口約2.4m四方,長さ2.4mの鉄筋コンクリート製ボックスカルバートを作製した。今後,この大型試験体の表層品質や含水状態を非破壊かつ経時的に測定しデータを蓄積し,上記研究の柱としている「劣化リスク分布」や「バラツキの成因分析」につなげる。 さらに,本検討と関連した動きとして,幹事として参画している日本非破壊検査協会コンクリート含水率試験研究委員会およびコンクリート透気試験研究委員会において共同実施した「コンクリートの非破壊品質評価に関する共通試験」において,コンクリートの含水率と表層透気性に及ぼす雨掛かりや乾湿作用の影響の有意性を確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 ロボット適用性検証用の鉄筋コンクリート製ボックスカルバート試験体の作製において,コロナ禍の影響を受け準備や作業日の調整が難航したため,研究進捗の遅延を生じた.ただ,昨年度末には試験体の作製を完了し,今年度の非破壊評価検討の本格実施を可能にした。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に完成させた鉄筋コンクリート製ボックスカルバート試験体に対して,開発した吸盤式壁面移動型ロボットに鉄筋探査計を搭載し,鉄筋かぶり厚の広範囲非破壊測定に対する適用性を検証する。また,コンクリートの含水率や表層透気性の経時変化を非破壊測定し,鉄筋のかぶり厚に応じた腐食リスクの評価を行う計画である。
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Causes of Carryover |
鉄筋コンクリート製ボックスカルバート試験体の作製がコロナ禍の影響により遅延したことから,その完成後に計画していた各種非破壊試験の実施が次年度へと繰越しになったため。
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