2021 Fiscal Year Research-status Report
鋼橋主桁横桁接合部の疲労き裂に対する実用的診断手法の構築
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21K04237
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
村越 潤 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (60355881)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 鋼I桁橋 / 主桁-横桁接合部 / 疲労損傷 / 診断手法 / 疲労対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、鋼I桁橋の主桁-横桁接合部に発生する二次応力に起因する疲労き裂を対象として、橋梁点検データによるき裂の発生傾向の分析、実橋での応力計測及び橋全体系の応力・変形解析を行い、き裂が進展しやすい構造条件を明らかにするとともに、効果的な対策工法を提示することにより、実用的な診断手法の構築を目的としている。2021年度は、以下の2つの観点から検討を行った。 1)き裂の発生傾向と構造条件の関係性の把握 鋼I桁橋780橋の橋梁定期点検データを用いて、き裂発生状況と供用条件や適用基準、構造詳細等の構造条件との関係について分析を行った。鋼I桁橋を構造的特徴の異なる溶接桁とH形鋼桁に区分して、着目部のき裂の発生傾向及び経年的な進展状況を把握した。 2)局部応力性状に基づく進展性の高いき裂の発生する構造条件の評価法の提案 基礎検討として、荷重車による実橋載荷試験結果に対して橋全体系の3次元立体FEMモデルを作成し再現解析を実施し、疲労挙動評価への解析モデルの適用性の検討を行った。荷重車の載荷位置と横部材の接合条件を変化させて試験値と解析値の比較分析を行い、主桁の応力・変形を概ね再現できることを確認した。着目部位の局部応力に関しては、一部、相違がみられたものの、載荷位置に対する局部応力、床版・主桁の変形挙動の傾向を概ね再現できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に予定していた検討内容については、概ね順調に進展している。損傷事例の傾向分析においては、適用基準や構造的特徴とき裂の発生傾向との関係を把握することができた。また、橋全体系のFEMモデルの作成と同モデルの局部応力評価への適用性を確認することができ、き裂の発生傾向と構造条件との関係性の把握に向けて、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
予定どおり2022年度の研究を進める。具体的には、引き続きFEMモデルによる実挙動の再現性の検証を進めるとともに、局部応力に影響する床版及び主桁の変形挙動に関連する構造パラメータを特定するための検討を進める。
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Research Products
(1 results)