2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of variability prediction method for initial imperfections of corrosion-damaged steel bridge members
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21K04243
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
宮嵜 靖大 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (50583051)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 初期たわみ / 残留応力 / 腐食 / 溶接組立 / 鋼部材 / 複合サイクル試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,鋼橋を構成する鋼部材が腐食損傷した際の溶接残留応力および初期たわみの変動性状を,実験および数値計算により明らかにすることを目的に実施している. 2021年度は,板厚12mm のSM490Y 材を中空正方形および十字形断面柱に溶接組立てした供試体を製作し,その残留応力および初期たわみを測定してきた.また,同じ条件で製作した供試体の促進腐食試験を実施し,これらの腐食後の供試体についても,同様にして,残留応力および初期たわみを測定してきた.残留応力の測定には,ゲージ長100mmのコンタクトストレインゲージを用いて,供試体断面を短冊状に機械的切断する方法により計測して明らかにした.初期たわみは,供試体断面を構成する板を9×9のマス目上に区切り,その格子点上を変位計による面外たわみの計測にて明らかにした.そして,促進腐食試験は,複合サイクル試験機(Q-Lab 社製QFOG CCT-1100)を用いて,JASOM609 に準拠した複合サイクル試験を1440 時間実施した.さらに,SM490Yの単一材料の腐食性状を明らかにするため,JIS Z 2241に準拠した5号引張試験片を9体製作し,腐食前の健全状態および1440時間の複合サイクル試験後の腐食状態のそれぞれについて,各3体の引張試験を行った.これにより,対象としたSM490Yの腐食前後の応力ひずみ関係および機械的性質を明らかにした. 以上の1年目に実施した引張試験結果および初期たわみの測定結果は,土木学会関東支部新潟会にて研究発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の計画目標は,以下の内容であり,概ね予定通りに実験を完了している。 ・板厚12mm のSM490Y 材を中空正方形および十字形断面柱に溶接組立てした供試体を製作し,その残留応力および初期たわみを測定する. ・同じ条件で製作した供試体の促進腐食試験を実施する.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2022年度は,促進腐食試験後の供試体を用いて,その残留応力および初期たわみを測定し,それらを明らかにする.促進腐食試験については,当初の予定として,1440時間のみを対象としたが,1年目の実験結果より,より多くの腐食損傷レベルの供試体を用いて,初期たわみおよび残留応力の変化を調べる必要があると考察したため,2年目にて,2880時間の複合サイクル試験を実施した供試体についても,1年目と同様の実験を行いながら明らかにすることを計画している.供試体の製作等については,問題無く進めている.これに加えて,当初の予定通りに,対象供試体を解析モデルに置換した非線形有限要素解析を実施し,腐食前後の供試体の残留応力および初期たわみを再現に取り組む. 3 年目は,腐食損傷したSM490Y 製部材のパラメトリック解析を用いた非線形有限要素解析により,腐食損傷が残留応力および初期たわみに及ぼす影響を定量的に予測する手法を提案する.
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