2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of variability prediction method for initial imperfections of corrosion-damaged steel bridge members
Project/Area Number |
21K04243
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
宮嵜 靖大 大同大学, 工学部, 准教授 (50583051)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 初期たわみ / 残留応力 / 腐食 / 溶接組立 / 鋼部材 / 複合サイクル試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,鋼橋を構成する鋼部材が腐食損傷した際の溶接残留応力および初期たわみの変動性状を,実験および数値計算により明らかにすることを目的として実施した. 2023年度の研究では,前年度までに明らかにした腐食損傷に伴う対象供試体の初期たわみおよび残留応力の変動に関する詳細な分析を行った.これにより,I形断面部材のフランジ部においては,I形断面ウェブ部や箱形断面を構成する板に比べて溶接による拘束辺が少ないため,腐食損傷に伴う初期たわみの変化が大きくなることを明確にした.当初の計画で予定していた対象供試体の実験結果との妥当性を確認した溶接組立した部材の熱応力解析については,前任地で整備済みであった汎用解析ソフトウェアを使用して実施する方針であったが,現所属の研究室にて同ソフトウェアが未整備のため,使用可能なソフトウェア(MARC)にて作業を進めた。しかしながら,熱応力解析に必要となる温度依存に関連する材料試験データの取込みが必要であり,本研究期間中にこれらの詳細なデータを収集することは,時間と費用の面から不可能であり,当初の計画通りに研究を進めることができなかった. 3年間を通した本研究の成果は,研究テーマの着想時の1枚の突合せ溶接した鋼板の腐食損傷に伴う初期たわみの変化の定量的な分析から,本研究で実施した溶接組立したI形および箱形断面部材の実際の腐食に伴う初期たわみおよび残留応力の変化を実験により明らかにしたことである.これにより,断面を構成する板の拘束が少ないI形断面部材のフランジでは,腐食前後の初期たわみの変化がI形断面の腹板および箱形断面部材よりも大きくなることを明らかにした.また,有限要素法を用いた熱応力解析による実験の再現性およびそれに続くパラメトリック解析による溶接構造部材の腐食損傷に伴う初期不整の変化の定量的な評価については,改めて研究環境の整備を行い着手する.
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