2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on Remediation of Oil Contaminated Ground by Ultrasonic Vibration and Its Mechanical Properties
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21K04257
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
椋木 俊文 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (30423651)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳化 / 地盤汚染 / 超音波 / X線CT / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,CT画像解析とUV-Vis測定の2つの手法を用いて粒状材料を対象とした間隙内残留油の浄化の定量評価を行った.実験においては,通水のみ,超音波照射のみ,超音波照射と通水を同時に実験を行い,それぞれの実験にどの程度の効果があるのかをCT画像解析を用いて体積変化やBlob数変化によって検証を行った.また、油と水のみのUV-Vis測定を行い検量線を作成し,この検量線を基に濃度が未知の乳化液内の油量を算出し,通水による乳化量の評価を行った.以下にその結論を列挙する. (1)UV-Vis測定で乳化液の検量線を作成し,未知の濃度の乳化液に含まれている油の量を求めることが簡易的に行うことができた.(2)UV-Vis測定結果から砂,いわき珪砂を含めた乳化液は,細粒分が液中にコロイドのような状態で分散しており,UV-Vis測定を行うのは困難であった.しかしガラスビーズでは乳化液と等しいスペクトルであったためガラスビーズは乳化液に対して影響を与えないことが分かり,UV-Vis測定を行うことができる.(3)UV-Vis測定を行った結果から,完全に乳化しこれ以上乳化することができない飽和状態の供試体に新しく溶媒を供給することで乳化量が高くなることが分かった.しかし,通水のインターバルが短いと不完全な乳化のままになるため,乳化量が低くなった. (4)CT画像解析により通水と超音波照射を行うことで通水のみ,超音波のみよりも高い除去効果を得られ除去率は37%であった.(5)通水と同時に超音波照射を行うことよって油の体積は減少したがBlob数が約4倍以上になっており,油が細かく分散されたことが分かった.(6)超音波照射を行った砂は超音波照射を行ってない試料と比較して2倍以上の砂の量が0.56mmふるいを通過し,超音波照射によって破砕が起きていることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画は、模型土槽に超音波照射装置をセットする一連の実験装置を構築することにあり、試作することができた。まだ改良の余地があるが、初期段階をクリアしたと判断している。乳化量を測定するための基礎実験も行うことができ、そのノウハウを構築できた。さらに、内部挙動を把握するためにX線CTスキャナを用いた実験まで行うことができた。これらの成果は、1編の卒業論文と土木学会西部支部年次講演会で発表している。一方、個別要素法と格子ボルツマン法を用いた解析の緒に就いたばかりであり、その成果は2022年度に期待することから、進捗状況は大嶺順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
試作した実験装置は、適切な超音波のエネルギーの調整量が未解明なため、模型地盤の材料、密度、油含有量をパラメータとして、地盤材料内部に乳化を生じさせる最適な条件を探していく。内部の変化については、X線CTを利用するため、模型地盤の間隙構造を直接取り込んで、格子ボルツマン法による乳化後の流体の流動挙動を数値解析することを試みる計画である。また、その成果を学会の全国大会、地方大会で発表する。
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Causes of Carryover |
当初想定していた学会発表と情報収集のための国内出張がコロナウィルス感染拡大防止の観点からオンライン開催になったためや、実験装置試作のための部品が安価に入手できた部品もあり、当初想定よりも予算執行が進まなかった。ただし、その後の研究進捗で、乳化実験の使用する材料費が、想定よりもかかることもわかってきたため、令和4年度では、材料費の追加購入を計画している。
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