2023 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation method on water transfer characteristics of bentonites considering ground water quality in radioactive waste disposal
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21K04260
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
伊藤 大知 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (40875225)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射性廃棄物処分 / ベントナイト / 水分移動特性 / 地下水質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,各種放射性廃棄物処分の安全評価に不可欠である,ベントナイト系材料の各種地下水質・地下水圧および排気条件の影響を考慮した水分移動特性データベースと理論評価手法の構築である.前年度までの検討で水質の影響は概ね分かったため,「メスシリンダーを用いたベントナイト系材料の浸潤・膨潤特性の簡易実験法」において,主要な交換性陽イオンがNa+(Na型),Ca2+(Ca型)の2種類の粉体状ベントナイトを用い,境界条件として排気の有無による水分移動特性の差異に関して検討した.供試体体積や乾燥密度をパラメータとして試験を実施したところ,それらに依らず非排気条件において浸潤速度が低下する傾向が見られた.その理由として初期空隙中の間隙空気が供試体中にトラップされ,間隙空気圧が上昇し浸潤を阻害したと考えられる.また,特に高レベル放射性廃棄物の地層処分においては,地下300 m以深の深地層中に処分場を建設することが定められており,緩衝材に流入する地下水の圧力は数MPa程度と高圧になることが想定される.このような高圧環境におけるベントナイトの水分移動特性を調査するため,今年度は2 MPa・4 MPaと高い水圧を付加した下で,Na型ベントナイトについて吸水量測定試験を行った.その結果,吸水初期の不飽和状態において吸水量と時間の平方根の間に比例関係がみられ,この水圧範囲においても水分拡散現象に則っていることが示された.しかし,水分拡散係数については水圧が高くなるにつれて水分拡散係数が2倍程度に上昇する傾向が見られるものの,上昇の程度はオーダーが変わるほどではなく,不飽和状態における水分移動特性に対する水圧の影響は小さいことが示された.
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Research Products
(7 results)