2021 Fiscal Year Research-status Report
浸透流を含む河川水理模型実験の相似性を満たす実行可能対策の提案
Project/Area Number |
21K04270
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
楊 宏選 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (00324004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細山田 得三 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (70262475)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 圧力相似 / 模型実験 / 河川流と浸透流の同時相似 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は実験に必要な半導体励起レーザーシート照射装置を購入して、画像解析ソフトウェアによる速度解析の使い方を習得した。パイロット実験でレーザーシート照射して得られた動画と画像解析による流速の観測可能範囲を確認したが、動画の質や撮影環境が計測精度を大きく影響することが判明し、ビデオカメラと撮影環境を増強・整備した。 本格的な実験は次年度から実施する予定なので、数値実験は環境を構築して予定される実験に先行していくつか行われた。概ね予測される結果を得ている。 既存の国総研の模型実験に対して本格的な数値実験を多く行って一定の成果が得られている。この段階で得られる知見は以下である。1)模型実験は複数透水ゾーンの透水係数の相対的大きさを実物と合わせれば、高い浸透流の圧力相似性が得られ、しかも相対的大きさに多少のずれがあっても圧力相似性が大きく損なわれない。2)堰のような河川構造物は、模型にたとえ小さな透水性隙間が存在すると、浸透流と圧力がそこから漏れて、河川流が変わらなくとも浸透流が著しく変わる。 上記知見の1)が現場での実現可能性を示唆している。砂や礫に目標の透水係数になるように配合することは現実的に無理が多いが、凡その透水係数比になるように二種類の透水係数の異なる材料を選定するのは比較的簡単である。この初歩的な知見は残念ながら層流の浸透流に基づく数値実験で確認された結果であって、乱流の浸透流に関してまだ確認できていない。乱流で扱う場合、透水係数の他にもう一つの係数(forchheimer係数)が必要になるが、㎝レベルの粒径になるとよくわからず、実験データもほとんどない。次年度から浸透流乱流の扱いも課題の一つになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り研究が進められてきた。数値実験はやや予定より早く行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)要素実験を行い、数値実験を高精度に検証できる流速場を得ることが実験の目標である。特に得たいデータは国総研の模型実験になかった浸透流の流線や流速などのデータである。 2)浸透流が乱流(非ダルシー流)の場合、オーダーで考えられている透水係数に乱流項導入で有意の違いが得られるか、確認すること。例えばレイノルズ数Reが10になると乱流項の寄与率は10%程度になることがわかっているが、透水係数の精度がオーダーレベルとなるとこの10%は無意味になり兼ねない。乱流項が考えなければならないReの目安を調べる。
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Causes of Carryover |
初年度は非接触型流速計測のためにレーザーシート発生装置と画像解析ソフトを購入予定であったが、他研究室の所有する画像解析ソフト(60万円)を使うことにして、なるべく次年度の購入するHPCに予算を回すことにした。申請ベースと実質予算に数割の乖離があって予定のHPCは買えないと困っていたから。
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