2021 Fiscal Year Research-status Report
温暖化に対応した氷海構造物の複合劣化プロセスの解明と新たな維持管理手法の構築
Project/Area Number |
21K04279
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹内 貴弘 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (40305983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木岡 信治 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 主任研究員 (20414154)
大塚 淳一 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 主任研究員 (50540556)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エロージョン / コロージョン / 氷海構造物 / 維持管理 / 摩耗 / 複合劣化 / 温暖化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①損傷劣化が激しい鋼構造物には,砂礫・海氷などの”固体衝突”の影響で発生する繰り返し腐食による腐食促進(腐食摩耗),機械損耗,及びそれらの相乗効果に起因すると考えられる機構の解明を行うこと。また、②実海域の複雑な氷象、物理特性値のばらつき、ランダムな接触氷圧力の特性と適用、また、連続体力学の適用が困難な流氷群(粒状体/不連続体)による複雑な作用形態の解析に、個別要素シミュレーションを適用し、氷群の挙動ならびに護岸や水路などの構造物への側部接触圧力の推定法を開発すること。さらに、③国内のアセットマネージメントでは空白部分である氷海域の海岸港湾関連施設の劣化予測と効果的で安価な補修等といった対策技術法を新たに示すことによりLCCに配慮した設計へ寄与することである。 そこで令和3年度には、-腐食生成物除去に関する基礎的試験と理論モデルの構築、-海氷・砂礫の衝突に伴う腐食摩耗試験と被覆材料の損耗についての要素試験、-海氷・砂礫の衝突外力の評価、-矢板周辺の流速、砂礫の衝突に関する現地観測 を行った。 当該研究の成果は、資源の豊富な北極海域などの極地、亜極地の構造物の設計にも十分に適用が可能であり、氷工学の分野では先端的な北米、北欧さらにロシアといった国外の研究の現状(ISO19906 TC 67/SC 7/WG 8 2nd Ed.,2019)をみても対策法は示されておらず、国際的に先んじた成果の情報発信が出来る点で大きな意義がある。北極海での資源開発や北極海航路など、我が国の氷海開発に関する技術的な国際貢献は、学術的貢献に加えて国策上極めて重大である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画された当初の予定にほぼ沿って進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの進捗状況から判断すると、今年度も申請時の計画通り進めていくことで問題はない。
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Causes of Carryover |
予定していた作業の一部(補修技術のための現地暴露試験)が、コロナ禍で進められないためである。
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