2022 Fiscal Year Research-status Report
縦渦構造の吸込み操作による流れ場の特徴の解明と摩擦抵抗軽減の試み
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21K04283
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Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 勝利 徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 教授 (00191750)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 縦桟粗度 / 吸込み操作 / 縦渦構造 / 間欠性と小規模化 / 乱れエネルギーの生成項 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,壁乱流において縦渦構造の形成領域を集中させ,その吸込み操作に伴う流れ場の特徴を明らかにすることである.そして,その知見を踏まえて流れの摩擦抵抗軽減を試みることにある.本年度においては,底壁面に縦桟粗度を設置した開水路流れにおいて,蛍光染料注入法による流れの可視化法,PTVによる流速計測法を用いて流れ場の特徴を詳細に検討した.その結果,流れの可視化からは,吸い込み操作無の場合には,縦桟粗度上に縦渦構造が時空間的に安定して形成されることが明らかとなった.一方,吸込み操作有の場合には,縦桟粗度上に形成される縦渦構造が間欠的となり,小規模化することが明らかとなった.流速計測の結果からは,主流速,二次流分布においては,吸い込み操作無の場合には,縦桟粗度上に強い上昇流とその左右に対を成す大規模な旋回流が形成され,上昇流の形成領域は想対的に低速となることが認められた.吸込み操作有の場合にはその強い上昇流と大規模な旋回状の二次流れが消失し,主流速が横断方向に一様となることが認められた.また,乱れの分布においては,吸い込み操作有の場合には無の場合に比べて,水平方向のレイノルズ応力(-uw)の形成領域が縮小し,値の正負の位相が逆転することが明らかとなった.さらに,-uwによる乱れのエネルギーの生成項-uw(dU/dz)は吸込み操作無の場合は縦桟粗度上で正値となった.これは,平均流から乱れへとエネルギーが移送されることを示している.一方,吸込み操作有の場合には,乱れエネルギーの生成項が縦桟粗度上で負値となった.これは,乱れから平均流へエネルギーが返還されることを意味しており,非常に興味深い現象と考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度,次年度とも研究計画に従って研究を進めることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては,これまでの研究成果を踏まえて,縦渦構造の吸込み操作が摩擦抵抗軽減に寄与するか否かを実験で検証する.
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Causes of Carryover |
底壁面に複数の桟粗度を有する模型を作成するために係る経費が見積もりよりも安価で作成することができた.
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