2021 Fiscal Year Research-status Report
Search of dementia switch onset conditions to prevent wrong-way driving
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21K04286
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山邉 茂之 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (90533670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目黒 謙一 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (90239559)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 逆走対策 / 認知症 / ドライビングシミュレータ / 視線挙動 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画では,医学的診断で認知症の症状別にスクリーニングした後にドライビングシミュレータ実験を実施する予定であったが,第15回アジア認知症学会が日本で行われ,関心が高かったことで,急きょ宮城県涌谷町地域での調査が可能となり,医学的診断の結果を待ってからのドライビングシミュレータ実験実施では,実験参加者の予定確保が難しかったため,医学的診断とドライビングシミュレータ実験を同日に実施した.高齢者20名を対象に行われ,医学的診断の出る前のデータ計測のため当然認知症でない方も含まれるが,認知症の有無による比較対象として参加希望者全員を計測することとした. これらのデータをまとめた結果,構築した走行シナリオにおいて,右左折する運転動作を含むシナリオでは,右左折を普段から気を付けているためか,顕著な差は出なかった.加えて,シナリオ中に流す音声が高齢者のため聞こえないケースも確認でき,本来意図とする運転が行ってもらえないケースも確認でき,改善点の抽出ができた,一方で,右左折なしの単に直線を走行だが注意を払わなければならない箇所を数個配したシナリオにおいては,差異が確認できた.2か所ほぼ同時に注意を払わなければならない箇所において,その注意に対しての予測が足らず,優先度が付けられず,より危険度が高い方を見落とす傾向もあった.これは,非接触式の視線計測により確認でき,スクリーニングの結果と併せて引き続き検証し,2022年度に向けたより顕著な差異が出るシナリオの構築に有効なデータが取得できた.2021年度の取組の一部は,第15回アジア認知症学会にて発表も行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021年度は,実験を実施する予定ではなかったが,高齢者のデータを取得することができ,認知症の経年による進行を見る上でも期間中に再度同じ参加者で計測できる可能性が生まれた.このことから,当初の計画以上に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
走行するシナリオを5つとしていたが,右左折に関しては顕著な差が確認できない可能性があることが分かったため,走行するシナリオを絞り,その分,視線計測の精度がより高くなるようにキャリブレーションをシナリオごとに調整するなど改善を行う.今年度は定期的に実験参加者を集い,その都度計測を行い,実験実施側の負担を分散させる計測体制に変更する.本年度は視線計測により注意障害の傾向を捉えることに注力する.これら解析結果をまとめ,論文誌への投稿を目指す.
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