2023 Fiscal Year Annual Research Report
Search of dementia switch onset conditions to prevent wrong-way driving
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21K04286
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
山邉 茂之 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (90533670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目黒 謙一 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 特任教授 (90239559)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 逆走 / 認知症スイッチ / ドライビングシミュレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
運転の負荷によって時間と共に低下する認知能力も健常者であれば一定以下にならないように調整または休憩を入れて回復を図るが,高齢者は回復に時間を要するため,ある一定以上低下が進んでしまうと高齢者の中でも認知症予備群の可能性を含んだ高齢者によって,逆走が引き起こされてしまっているのではないかと仮説を立て,認知症予備群が運転負荷から一時的に認知症の症状に近くなる認知症スイッチの概念を提案した. まず,医師である分担者が診断した認知症の疑いがある高齢者とその診断では疑いがないと診断された高齢者20名を対象にドライビングシミュレータによる走行実験を実施した.構築した走行シナリオにおいて,右左折する運転動作を含むシナリオでは,右左折を普段から気を付けているためか顕著な差は出なかった.一方で,右左折なしの単に直線を走行して注意を払わなければならない箇所を複数配したシナリオにおいては,差が確認できた.2か所ほぼ同時に注意を払わなければならない箇所において,その注意に対しての予測が足らず,かつ優先度が付けられず,より危険度が高い方を見落とす傾向が確認できた.医学的診断でも行われる全般性注意の症状確認に基づき,シナリオイベントに対する反応を注意障害に対応させてまとめた.種類別症状でよく見られる注意障害は既存研究で明らかになっているため,今回対象とした認知症者の運転行動ならびに視線移動を注意障害と照らし合わせると,通常の運転ならびに注意対象に変化が少ない場合(自転車が路側を走行しているので横車間を空けるなど)は対応できるが,注意対象に変化が生じてもその変化に対応した運転行動を取らないまたは気づかない注意障害の傾向が確認できた.一方で,注意対象とならない通常の変化(前方者の車線変更など)には,対応した運転行動を行ったが,注意障害があるが故か,通常運転に集中し過ぎな過度な対応をする傾向も確認した.
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