2021 Fiscal Year Research-status Report
身体挙動と脳活動を踏まえた無信号交差点通過時の空間認知モデル構築の試み
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21K04297
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Research Institution | Toyota Transportation Research Institute |
Principal Investigator |
三村 泰広 公益財団法人豊田都市交通研究所, その他部局等, 主幹研究員 (20450877)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 無信号交差点 / 高齢運転者 / 身体挙動 / 脳活動 / 空間認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,高齢運転者の無信号交差点通過時における身体挙動および脳活動の実態を踏まえた認知プロセスの特性について,知見を積み上げようとするものであり,無信号交差点における出会い頭事故対策に関する基礎的知見を提供するのみならず,運転免許更新時等において確認すべき高齢運転者の心身機能についての革新的知見を提供するものである.初年度となる令和3年度は,全体計画における準備期間として位置づけたもので,実験を行う無信号交差点の選定を行っている.具体的には,(1)選定すべき交差点の条件整理,(2)当該条件に該当する交差点の選定,(3)選定交差点の現地調査と実験条件の確認,を実施している.(1)では,先行研究(三村, 2020)で課題であった,空間のバリエーションならびに交通条件の影響を克服する観点から,選定交差点において交差点交差角度,交差点枝数,歩行者・自動車の存在状況を考慮するといった整理をした.(2)では,(1)の整理を踏まえた具体的な空間選定を,先行研究(三村他,2019)で構築した出会い頭事故件数推定モデルを用いて,特に交差点構造の多様性と実験計画法の使用を想定しながら75歳以上の高齢運転者の出会い頭事故が比較的多く発生している無信号交差点を9箇所選定した.(3)では,当該9箇所の現地調査並びにプレ映像撮影を実施し,実験実施に際しての対象箇所の課題を整理した.以上の成果は,次年度に予定する実験を円滑に進めるうえでの基礎情報として有益なものとなっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績で記載のように,令和3年度は全体計画における準備期間として位置づけ,実験を行う無信号交差点の選定を行っている.具体的には,(1)選定すべき交差点の条件整理,(2)当該条件に該当する交差点の選定,(3)選定交差点の現地調査と実験条件の確認,を実施している.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は,令和3年度に選定した交差点の本映像を作成し,被験者(高齢/非高齢,n=50程度)による当該映像視聴時の視線挙動,身体挙動,脳活動,身体機能の計測を行う.映像作成は,360度カメラを用いた臨場感あるものを用意する.被験者は,実験実施地域のシルバー人材センター並びにその他人材派遣会社の協力を想定する.運転時(想定)の視線挙動及び脳活動は,計測機器の導入(NeU-VR)を通じて行う.被験者の身体機能は,計測機器を保有する大学(大同大学)の協力を想定し調整を進めている.なお,運転時の身体挙動は,当初想定したモーションキャプチャの導入が困難となったことから,別途用意する加速度センサーを用いて計測する予定である.
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