2022 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the impact of COVID-19 on tourism supply and demand by travel and Lodging survey
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21K04300
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
兵藤 哲朗 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (40218748)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 宿泊旅行統計 / インバウンド / コロナ禍 |
Outline of Annual Research Achievements |
宿泊旅行統計を用いたコロナ禍の回復過程を明らかにすることが本研究の最大の目的である.2022年度は世界的にも予想より回復が遅れたことから十分な分析を行うことができなかった.特にインバウンド需要は2022年末まではワクチン接種証明が必要であり,国によって殆ど日本に入国できていない.その一方で国内の観光需要は2022年の第Ⅲ四半期頃から回復軌道に乗り始めた.宿泊旅行統計の個票を得るためには若干のタイムラグがあるため,2022年度は個票の取得は諦め,周辺データの整備に注力した.その一つが経済センサスデータ(3次メッシュ)であり,同データを購入し,その特性について基礎解析を行った.また,観光需要の割合の多い,東名高速道路のETC需要分析を行い,機械学習系のProphetと時系列分析,重回帰分析の特性比較を行い,各モデルの長短所を明らかにすることができた.この分析結果を時空間データである宿泊旅行統計に適用するための前段階の解析である. 研究成果については,土木学会論文集D3(土木計画学)の審査付き論文として,「宿泊旅行統計を用いた観光の諸特性の分析」(相馬大・兵藤哲朗)の掲載に至っている.同分析では宿泊旅行統計を用いた時空間解析と共に,宿泊施設特性を用いた不均衡分析を試みている.結果から,宿泊施設タイプ別,地域別,時期別の供給制約の有無について明らかにしており,今までにない新規性を有する研究事例になった.また,コロナ禍に関する研究は英語発信すると多大のCitationを得られることが知られている.そのため,2023年度の回復過程分析結果を速やかに英文投稿することを想定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想よりコロナ禍からの回復に時間がかかっているのが「やや遅れている」の原因である.しかしながら,2023年になり,インバウンド需要は急激に回復しており,国内観光も,2023年の大型連休は2019年並みの「リバウンド需要」が観測された.本年度が最終年度なので,2023年6月までの宿泊旅行統計の個票を10月には入手し,この回復過程を明らかにしたい.それまでは昨年度に購入した経済センサスデータを用いて,観光施設の立地特性について時空間解析を進める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
研究申請時の2020年秋には,コロナ禍の回復時期を2022年度と見立てていたが,2023年度の早い時期に回復基調となったため,今年度,当初の予定通りの回復過程解析を行うことができる.特にインバウンド需要については国別に回復過程に大きな相違が観測されており,この要因分析は重要である.また,コロナ禍に関する研究事例は英語で発出すると桁違いのCitationが得られることが交通関係の研究者に知られている.そのため,回復過程分析結果はモデル分析に至らなくても,速やかに英語公表することを想定している.
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Causes of Carryover |
コロナ禍の回復が遅れ,当初の研究計画で予定していた解析を行うことができなかったため.
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