2021 Fiscal Year Research-status Report
ウエアラブルデバイスを用いた職業ドライバー向けの安全と健康システムの開発
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21K04310
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
荏原 太 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (90424647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 交通工学 / 交通事故 / ウェアラブルデバイス / 睡眠時無呼吸症候群 / 両立支援 / 健康経営 / 安全工学 / IoT モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
〇具体的内容:A(対象者へのヒアリング)→対象事業者であるバス営業所のドライバー23名と運行管理者3名に、モニタリング指標の選定、現場でのデータ収集の方法、勤務時間外のデータ収集方法などについて個人・小グループでヒアリングを行った。B(アプリ作成)→Aをふまえたデータ収集および簡易フィードバックが可能となるスマートフォンアプリを作成した。C(学会発表)→「ウェアラブルデバイスにCPAP療法患者が求める行動科学的効用は何か(第46回 日本睡眠学会、2021年9月)」「写真機能を使用したライフログ+マトリクス法による目標設定アプリは、患者との協働関係の構築に有用である(第24回 日本病院総合診療医学会、2022年2月)」を発表した。 〇意義:A(対象者へのヒアリング)→交通違反になるため運転中はスマホに触れないこと、ウェアラブルデバイスが運転に支障をきたさない配慮が必須である。また運行前点呼に運行管理者からのフィードバックも重要であることが判明した。B(アプリ作成)→データ収集を確実にするためスマートフォンアプリを作成した。簡易フィードバック機能も付帯した。 C(学会発表)→発表することにより、専門領域の研究者からのアドバイスおよび臨床研究を拡大する際の協力機関をリクルートする事ができる。 〇重要性:A(対象者へのヒアリング)→継続性とシンプルで迷わないことが必要、可能であれば安全管理目的のグループmeetingの利用を要望された。B(アプリ作成)→Aをふまえ利用者のユーザビリティー向上とセキュリティーを担保しながら、安全職場形成のためのツールとしての機能を加える。またアプリをモジュール化し開発することで予算と開発時間を節約し、後日統合出来るようなアプリ開発の手法で行う。C(学会発表)→臨床研究にむけてプロトコールの作成を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A(対象者へのヒアリング)→睡眠を主体とした健康・安全モニタリング指標の探索・勤務時間以外での装着と報告が可能であり、モニタリング時にはウェアラブルデバイスによる経時的かつ数値化されたモニタリング指標を選定した。その妥当性と社会実装した際の費用対効果の高い指標の策定することが重要であり睡眠と自律神経の脈拍モニタリングによる疲労・ストレス度チェックに使用可能なウエラブルデバイスとその指標を選定した。しかし生体センサー技術と精度の進歩によりこの指標は日進月歩である。各社のフラッグシップモデルのセンサー特性と睡眠時無呼吸検査やCPAPデータとの相関を確認し、睡眠とストレス指標に関して2022年6月に開催される日本睡眠学会で「行動分析学にもとづいたウェアラブルデバイスによる睡眠・自律神経スコアの職域導入の意義」として本研究の成果を発表予定であり、この領域の研究者から問題点やアドバイスをもらう。B(アプリ作成)→現在製作したアプリのユーザビリティーとGPS情報・個人情報の取扱いとセキュリティーのバランスを考慮しながら改善を継続する。C(学会発表)→高齢者でも操作可能か確認するため、当該アプリを利用した高齢者ドロップアウト例に対するユーザビリティーの調査を施行し「ゲーミフィケーション理論にもとづいた高齢者向けシンプルPHRアプリの開発とその多職種評価(第65回 日本糖尿病学会、2022年5月)」で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目的は「ウェアラブルデバイスを用いた職業ドライバー向けの安全と健康システムの開発」である。個人の睡眠モニタリングを主とした健康・ストレスマネジメントである。それに加え個人のフィードバックを匿名性を持ちながら集約し職場の安全行動の推進していくことが開発目標である。評価するウェアラブルのマーカーはメーカーごとに可変的であり異なる。ゴールドスタンダードをWEBモニタリングできるCPAP経時データとし、睡眠時無呼吸症候群に罹患し、CPAP使用しウェアラブルデバイスを持つ職業ドライバーを対象に、アプリ導入し使用することによりCPAP装着率を含むアドヒアランスがどのように改善したか、統計学的パワーの算出と予算配分に配慮しながら研究症例数を考慮する。 A(対象者へのヒアリング)B(アプリ作成)→アプリの製作を続けてそのアップデートを行い、目標は社会実装に向けたパイロットスタディーを行うこと、内容に新規性を認めるので、仕組みに対して特許申請を行う予定C(学会発表)→6月の日本睡眠学会で採択された「行動分析学にもとづいたウェアラブルデバイスによる睡眠・自律神経スコアの職域導入の意義(第47回 日本睡眠学会、2022年7月)」を発表予定。 今後はD(研究対象施設の拡大から社会実装)→他施設共同研究を進め、社会実装を目標に次年度はバス中規模事業所での運用と評価、またトラック運送会社などにも対象が広げることが出来るかの方針決定を行う。限られた予算と時間で費用対効果が高く、今後も知財としてのオリジナリティーを担保しながらわかりやすいシステム構築を行う。次年度は小規模事業所へ適応し、ユーザビリティーの検証とパイロットスタディーをスタートさせることを目標とする。
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Causes of Carryover |
当該年度に作成したアプリは、まだフィードバック部分の細かな仕様が固定できないことおよび現在のWEBアプリケーションの形式の場合、アップロードまでの時間が長いため、RPAを使用したアプリへの変更も選択のひとつとして検証を始めたため、予算執行が次年度に行うことになった。
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