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2021 Fiscal Year Research-status Report

浄化槽内における薬剤耐性菌および薬剤耐性遺伝子の消長と操作運転条件による抑制

Research Project

Project/Area Number 21K04313
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

石黒 泰  岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 助教 (10743891)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 李 富生  岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (10332686)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords浄化槽 / 薬剤耐性遺伝子 / PCR
Outline of Annual Research Achievements

近年,薬剤耐性菌が引き起こす様々な問題が世界中で大きな課題となっている.その薬剤耐性菌の環境への放出源の一つと考えられているのが,汚水処理施設である.浄化槽(合併処理浄化槽)は家庭から排出される汚水を処理するための戸別汚水処理施設として日本の下水道未整備地区で広く利用されている.しかし,浄化槽の汚水処理工程におけるの薬剤耐性菌の消長は調査されておらず,その増減のメカニズムも明らかとなっていない.
本研究では,浄化槽処理工程おける薬剤耐性菌および薬剤耐性遺伝子を評価し,その消長を明らかにすること,浄化槽内での水平伝播の発生状況や微生物群集構造との関係を明らかにすること,薬剤耐性菌および薬剤耐性遺伝子を抑制もしくは低減できる浄化槽の操作運転条件を明らかにすることを目標としている.
初年度である本年度は薬剤耐性遺伝子のPCRを用いた検出条件の検討とともに,浄化槽の処理水および堆積汚泥から採取したDNAの中に薬剤耐性遺伝子が存在を調査した.テトラサイクリン系薬剤の耐性遺伝子として報告のあるtetA, tetB, tetC, tetG, tetM, tetO, tetQ, tetW,スルホンアミド系薬剤の耐性遺伝子として報告のあるsul1, sul2, sul3,キノロン系薬剤のの耐性遺伝子として報告のあるqnrA, qnrB, qnrD, qneSの3種薬剤に対する耐性遺伝子合計15種を対象として,既報のプライマーを用いてPCRでの検出条件を検討した.
その結果,その多くにおいてそれぞれの耐性遺伝子のシングルバンドが検出できるPCR条件を探すことができた.また,複数の浄化槽のすべてにおいて,汚水処理工程の前半となる嫌気槽の水および汚泥さらに汚水処理工程後半のから,対象としたほぼすべての耐性遺伝子が検出され,浄化槽の中に多くの種類の薬剤耐性菌が広く存在していることが明らかとなった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度はPCRを用いた薬剤耐性遺伝子の検出を行うために既報の3系統の抗生物質(テトラサイクリン系,スルホンアミド系,キノロン系)に対する15種類の薬剤耐性遺伝子の特異的プライマーを用いて,検出条件の検討を行い,浄化槽のサンプルから,薬剤耐性遺伝子を検出するためのPCR条件の最適化をおこなった.
その検出条件を用いて,過去の実験で浄化槽から採取した複数の浄化槽の汚水処理工程前半の嫌気処理工程の試料水および貯留汚泥と汚水処理工程後半の好気処理工程の処理水と堆積汚泥のDNA溶液から薬剤耐性遺伝子の検出を試みたところ,対象とした15種類の薬剤耐性遺伝子すべてが検出され,浄化槽内において薬剤耐性菌が広く存在していることが確認できた.
いっぽうで,新型コロナウィルス感染症の影響もあり,現場の浄化槽からの試料のサンプリングができておらず,やや遅れていると判断したが,必要な検出方法については確立ができており,協力機関への現場浄化槽からのサンプリングへの依頼もできていることから,2年目以降で十分挽回できると考える.

Strategy for Future Research Activity

本年度確立したPCRでの検出条件を用いて,協力機関の協力のもと実稼働している浄化槽からサンプリングを行い,薬剤耐性菌の分離とそれらが,プラスミド型薬剤耐性遺伝子を保有するかを調査を行い薬剤耐性菌とプラスミド型薬剤耐性遺伝子の関係性を明らかにする.
また,PCRでの定性的な検出だけでなくリアルタイムPCRを用いた薬剤耐性菌の定量を行うことで浄化槽における汚水処理工程での薬剤耐性遺伝子の変化を明らかにする.

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 小型合併処理浄化槽中の細菌群集と処理水質の関係2022

    • Author(s)
      石黒 泰, Yenni TRIANDA, 安福克人, 玉川貴文, 李 富生
    • Organizer
      第56回日本水環境学会年会
  • [Presentation] 小型合併浄化槽における堆積汚泥貯留期間が堆積汚泥と放流水質に与える影響2021

    • Author(s)
      大河内允基, 奥村信哉, 藤枝祐, 蘇浩寧, 李富生, 石黒泰
    • Organizer
      令和3年度全国浄化槽技術研究集会(新型コロナで中止となり要旨が月間浄化槽に掲載)
  • [Presentation] Bacterial activity and EPS affect the performance of household wastewater treatment facility2021

    • Author(s)
      Haoning Su, Miya Ogata, Yuuki Okochi, Shinya Okumura, Yasushi Ishiguro and Fusheng Li
    • Organizer
      UGSAS-GU & BWEL Joint Poster Session on Agricultural and Basin Water Environmental Sciences 2021

URL: 

Published: 2022-12-28  

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