2022 Fiscal Year Research-status Report
Basic Study on the Development of Highly Adsorbed Artificial Barrier Materials for Radioactive Waste Disposal Facilities
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21K04324
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
庭瀬 一仁 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00770942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 武志 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 上席研究員 (30371545)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射性廃棄物処分 / 高吸着層 / セメント系人工バリア / ゼオライト |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度の研究実施計画に基づいて,セメント固化体の力学特性、低拡散性及び吸着特性の検討を実施した。 これまでの実験結果から得られた適用性の高い数種類の候補となる材料を設定し、一軸圧縮強度を測定するとともに,セメント固化体の分配係数を測定し、吸着特性の変化について検討した。 圧縮強度試験は、コンクリートの圧縮強度試験方法(JIS A 1108)に準じて行い、力学的安定性の評価を行った。結果として,ゼオライト混合率及び水セメント比が高くなるほど強度が低下する傾向が確認された。これは,ゼオライト自体は強度が低く,圧縮強度の結果はほとんどセメントマトリクスの強度に依存していると想定されることから,セメント量が多くW/Cが小さい配合であるZV50_W/C40が高い圧縮強度となったと考えられる。一方で,7日から28日にかけての強度増進については,ゼオライト混合率が高い配合のほうが、強度増進が大きくなった。この理由としては,ゼオライトによるポゾラン反応によるものだと考えられる。 収着試験は,試験に用いる収着物質としてのCsは、ヨウ化セシウム(CsI)を超純水に溶かし、Cs 濃度 1mg/L に調製した。収着試験は開始から14日後に試験水を採取して測定した。なお,試験は,大気との反応を抑制するために高純度の不活性ガス下のグローブボックス内で行った。ゼオライトセメント固化体に対する Cs の分配係数(Kd)の測定は、液固比を 100:1 と500:1として実施した。各試料に対する Cs の Kd は液固比が異なっても同じ傾向を示しており、低Cs濃度下における各試料の収着特性を表していると考えられる。各供試体を比較するとゼオライトの混合率の高いほうが Kd は高くなった。このことから、Cs の収着に関してはセメント由来の成分よりもゼオライトの混合率の違いの影響ほうが大きいと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究実施計画どおり,セメント固化体の力学特性、低拡散性及び吸着特性の検討を実施し,成果をまとめ,口頭発表3件により公表し,今後の研究に資する意見を聴取できた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の研究については,計画どおりブロック供試体を作製し、施工性の検討に資する情報を得るとともに,施工後の供試体のひび割れの発生状況,収縮量などを確認する。また、コアリングを行い充てん状況の目視確認、圧縮強度、示差熱分析及び実効拡散係数を測定する。以上の検討成果をまとめ、最終処分における実用性を検討する。 期待する結果の見通しとしては、高吸着でかつ低拡散性も有する「高吸着低拡散層」の実現性を明らかにしたいが、少なくとも一定量のセシウムを吸着する「高吸着層」の可能性までは確認したい。
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