2022 Fiscal Year Research-status Report
二酸化炭素の回収に向けた有機/無機複合吸着材の開発
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21K04330
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
森本 和也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (10565683)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / 吸着材 |
Outline of Annual Research Achievements |
工場などから排出される燃焼排ガス中に含まれる低濃度の二酸化炭素を対象にした実用的な吸脱着材料の開発を目指して、二酸化炭素に対して選択性が高い化学吸着性を示すアミン系有機分子と比表面積の大きい無機担体を有機/無機複合化することで固体として取り扱える二酸化炭素吸脱着材料の合成に取り組んだ。 無機担体(天然鉱物あるいは合成鉱物材料)の種類とアミン系有機分子の担持方法の最適化を図った。複合化した材料の二酸化炭素吸脱着特性を二酸化炭素ガス吸脱着等温線の測定により評価した。組成や結晶構造が異なる無機担体の種類の検討においては、比表面積が大きいアルミノケイ酸塩の鉱物材料がアミン系有機分子担持後に低濃度二酸化炭素の条件で最も高い吸着量を示すことが明らかとなった。チャネル構造のマクロ孔を有する無機担体よりも、外表面の面積が大きい無機担体の方がアミン系有機分子の担持には適しているものと考えられた。アミン系有機分子の担持方法の最適化においては、反応溶媒を使用せずに担持を行うことを検討し、溶媒使用時と同等の二酸化炭素吸着性を示す材料を合成することができた。 二酸化炭素の脱離温度を評価するため、雰囲気制御下で複合化した材料の昇温・降温過程における質量変化を計測した。二酸化炭素の脱離は特定温度で急激に進行することはなく、温度上昇と共に漸移的に生じることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験器具等の納入の遅れはあったものの、計画していた無機担体の合成や複合化条件の最適化、二酸化炭素脱離温度等を評価することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
実用的な材料開発を目的として、複合化した吸着材料によるCO2吸着と加熱によるCO2脱離の繰り返し性能を雰囲気制御下で評価できる実験設備を整備する。
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Causes of Carryover |
物品費等の支出において納期の遅れから変更が生じたが、次年度に計画に沿って適切に執行する予定。
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Research Products
(2 results)