2022 Fiscal Year Research-status Report
都市型災害抑制ポーラスコンクリートの新規補強工法と品質安定性向上
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21K04343
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| Research Institution | Aichi Institute of Technology |
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Principal Investigator |
山本 貴正 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (70418987)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 主筋 / 片側引抜き試験 / 単筋梁 / 空隙率 / 継手 / プレキャスト |
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| Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まで、コルゲートチューブ(CT)内をグラウトし、そこに鉄筋を挿入した補強筋(鉄筋内蔵CT)とポーラスコンクリート(POC)との付着性能について、実験的に検討した。その結果、片側引抜き試験を通じて、CTは比較的柔軟性が優れているため、延性的な破壊をする付着力低下が、脆性的な破壊をする付着割裂よりも先行すること、また中央集中荷重が作用する単純梁方式の曲げ試験(単純梁曲げ試験)を通じて、鉄筋内蔵CTの補強効果によりPOCの最大曲げ荷重の向上が期待できること、さらに片側引抜き試験と同様に、付着力低下が生じやすいため延性的な破壊が生じやすい、などの知見を得た。そこで今年度は、引き続き、追加実験として実施した鉄筋内蔵CTで補強されている母材がPOCの片側引抜き試験を通じて、鉄筋内蔵CTとPOCとの付着性能について、またPOCのプレキャスト化を目指し、鉄筋内蔵CTを利用した継手部の曲げ性能について検討した。後述の継手部については、母材をモルタルとした予備実験についても実施した。
各実験の結果、次のような知見を得た。1)最大付着応力度の観測値と近似値の相対誤差は、容積法空隙率に関連せず比較的大きい。これは、CTとPOCの界面付近の空隙分布が影響していると考えられる。2)鉄筋内蔵CTで補強されている母材POCの継手ありの曲げ試験体は、最大曲げ荷重到達後に曲げ引張側の継手部の隙間が拡大した。なお、曲げ圧縮破壊かつ付着割裂破壊を確認できないため、CTとPOCの付着力低下で最大曲げ荷重が決定したと考えられる。3)鉄筋内蔵CTで補強されている母材POCの継手ありの曲げ試験体は、無筋の試験体と比較して、最大曲げ荷重は大きい。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由
今年度(２年目)の研究は、申請書の計画通り、コルゲートチューブ(CT)内をグラウトし、そこに鉄筋を挿入した補強筋(鉄筋内蔵CT)とポーラスコンクリート(POC)との付着性能について、またPOCのプレキャスト化を目指し、鉄筋内蔵CTを利用した継手部の曲げ性能について検討した。研究の過程において、POCの最大付着応力度と空隙率は関連せず、最大付着応力度は、CTとPOCの界面付近の空隙分布が影響している可能性があり、またプレキャストを想定した鉄筋内蔵CTで補強されている母材POCの継手ありの曲げ試験体は、無筋の試験体と比較して、最大曲げ荷重かつ曲げ靭性が大きいなどの知見を得た。
継手ありのPOCの曲げ試験体の最大曲げ荷重と空隙率の関係についてはこれまでに明らかにできていない。そこで、最大曲げ荷重が決定する部分的な空隙率の推定について研究を進めている。また、先行して最終年度(３年目)に実施する予定のPOCのせん断破壊に及ぼす樹脂ホースで被覆したせん断補強筋の影響について、母材をモルタルとして、研究を遂行し、これら基礎的データを得ている。このことから、現在までの進歩状況を「おおむね順調に進展している。」とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
継手ありのポーラスコンクリート(POC)の最大曲げ荷重が決定する部分的な空隙率を推定できていないため、これを吸引法(吸引機の吸引口先端を試験体の表面に接するように設置し，その吸引圧力で，空隙率を推定する方法)を用いて解決することを試みる。
昨年度は、母材モルタルに対して、樹脂ホースで被覆したせん断補強筋の効果があることを確認した。最終年度は、母材をPOCとして、実験を試みる。これらの結果を加味して、プレキャストを想定した継手を有するコルゲートチューブ(CT)内をグラウトし、そこに鉄筋を挿入した補強筋(鉄筋内蔵CT)と樹脂ホースで被覆したせん断補強筋が配置されたPOCの曲げせん断性状について、実験的に検討する。
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| Causes of Carryover |
当初の計画では、学会参加のための旅費を申請していた。この学会がコロナの影響で遠隔となり、その旅費を使用していないため使用額に差が生じた。次年度は、この額を、試験体作製費などに充てる予定である。
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Research Products
(7 results)
