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2021 Fiscal Year Research-status Report

データ同化によるコンクリート材料試験の応力ひずみ推定値を用いた耐震解析の高度化

Research Project

Project/Area Number 21K04347
Research InstitutionNational Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention

Principal Investigator

山下 拓三  国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 主任研究員 (40597605)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松井 智哉  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20402662)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsデータ同化 / アンサンブルカルマンフィルター(EnKF) / コンクリート材料構成則 / 引張クラック / 機械学習 / PINN
Outline of Annual Research Achievements

逐次データ同化手法のプログラム開発に関して,時刻更新ループにおいて,接線剛性テンソルの回帰,FEMによる状態ベクトルの更新,観測値の取得,EnKFによる状態ベクトルの更新の処理が行われる.接線剛性テンソルの回帰,観測値の取得,および状態ベクトル更新に関する処理を担うクラスとして,それぞれ,StiffnessTensorRegressorクラス,DataObserverクラス,EnKFクラスを既開発のFEMプログラムに実装した.
接線剛性テンソルの回帰では,過適合を回避するためRidge回帰を用いた.独立な応力6成分それぞれに対して重回帰分析して,求められた重みから接線剛性行列を構成した.EnKFではサンプル毎にMPIによる並列実行ができるようにコードを作成した.EnKFの実装について単体テストを実施して,想定通りの挙動となることを確認した.
開発プログラムの統合テストとして,円形切り欠きを有する単一部材の試験片の弾塑性解析モデルを対象として,その解析結果の当該位置での変位および反力を観測データとして用いて,データ同化の計算を実行した.計算の結果,接線剛性行列の回帰において,条件の悪い行列が作成されたためFEM計算が収束しない結果となった.このように,統合テストで,問題が発生したため本年度計画していた双子実験まで遂行することはできなかった.
引き続き問題への対応を検討しているが,独立に進められる作業として,3年目に発展的課題として実施予定であったPINNによる材料構成則開発に着手した.その結果,von Mises型の等方硬化則の弾塑性構成則を高い精度で再現する構成則を学習することができた.また,双子実験では,既開発のコンクリート材料構成則を利用する予定にしていた.そこでこの構成則の高度化も進めることとし,引張側クラックのモデルについてポアソン効果を考慮できるような改良を行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度予定していたアンサンブルカルマンフィルターによるデータ同化プログラムを既開発のFEMに実装して単体テストで想定通りの挙動となった.一方で,結合テストにおいては,接線剛性行列の回帰において性質の悪い行列が作成されたためFEM計算で収束しない結果が得られた.この問題により,当初予定していた双子実験まで到達できなかった.対応策については現在検討中であるが,3年目に予定していたPINNによる材料構成則開発を先行して実施して,良好な結果を得られたため,全体の計画としては概ね順調に進展していると自己評価する.

Strategy for Future Research Activity

接線剛性行列の回帰で性質の悪い行列が作成される問題について,回帰に用いるデータの偏りを少なくすることや,前ステップからの剛性行列の差分を回帰するという問題に変更することで対処する予定である.この問題を2年目のできるだけ早い時期に解決して,双子実験を実施して提案手法の有効性を確認する.
2年目に予定している材料試験については,双子実験の結果に影響されずに準備ができるため,遅延なく,計画が進められると考えている.

Causes of Carryover

当該年度において,材料試験の事前検討のため画像計測手法と載荷方法のテストを実施する予定で,その予算を計上していた.画像計測手法について,検討すべき事項が発生したためその後に実施する載荷方法のテストは次年度の持ち越して,それに必要な治具の製作等の費用も次年度に持ち越すことにした.

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 地震被害予測のための異種シミュレーションを用いたデジタルツインのプロトタイプ2022

    • Author(s)
      山下拓三,関本義秀,腰原幹雄,中川貴文,大谷 英之
    • Organizer
      計算工学会
  • [Presentation] RC 構造物の大規模詳細FE 解析のためのコンクリート構成則開発2022

    • Author(s)
      山下拓三,藤原淳,宮村倫司
    • Organizer
      理論応用力学講演会
  • [Presentation] 鉄筋コンクリート梁部材の静的載荷解析でのコンクリート材料構成則の検証と妥当性確認2022

    • Author(s)
      山下拓三,藤原淳,宮村倫司
    • Organizer
      日本建築学会

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Published: 2022-12-28  

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