2023 Fiscal Year Annual Research Report
空中超音波を利用した防火木材の防火性能の非接触・非破壊評価法の確立
Project/Area Number |
21K04353
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長谷川 益己 九州大学, 農学研究院, 助教 (00372756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 博幸 福岡県工業技術センター, その他部局等, 研究員 (80502244)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 防火木材 / 空中超音波 / X線CT / 薬剤量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,空中超音波による防火木材の防火性能の新しい非接触・非破壊評価法の確立を目指している。所定の防火性能を持つ安心・安全な製品の開発・製造するために,空中超音波を用いて可視化した難燃処理木材中の薬剤量分布と発熱性試験による防火性能との関係を解明することを目的として検討を行った。前年度の成果をもとにして研究を進めて,最終年度は下記の成果が得られた。 木材試験体に難燃薬剤を減圧および加圧注入を施して,難燃薬剤の注入前後で空中超音波の伝搬速度の測定およびマイクロフォーカスX線CTによる撮影を行った。はじめに,難燃処理前後の伝搬速度の変化率から昨年度に決定した検量線を使用して,薬剤量分布の推定を行い,コーンカロリーメータによる発熱性試験の結果と照らし合わせた。難燃処理材内の薬剤量の分布から防火性能の予測は可能であったが,試験体の条件等により予測とは異なる性能を示す場合もあった。これは板厚方向の薬剤量の分布が関与していると考えられた。そこで,マイクロフォーカスX線CTを利用して材内の板厚方向の薬剤量の偏りについて解析し,コーンカロリーメータによる発熱性試験の結果と照らし合わせた。板厚方向の薬剤量の分布は,試験体の条件等により様々であり,これらの分布は防火性能に大きく影響を与えることが示された。しかし板厚方向の薬剤量の偏りと防火性能の詳細な関連性までは得られなかった。以上のことから,空中超音波やX線CTは薬剤量分布の可視化は可能とし,難燃処理材の重量変化による全体の薬剤量では判別できない問題を解決する非破壊ツールになりうる可能性が示された。今後は更なる詳細な検討を続けることで,所定の防火性能を持つ安心・安全な製品の開発・製造することに貢献できるであろう。
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Research Products
(4 results)