2023 Fiscal Year Annual Research Report
Application of Fibred Cellular Concrete to Architectural Structure
Project/Area Number |
21K04358
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
陶山 裕樹 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (20507876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋吉 善忠 大分大学, 理工学部, 助教 (40713467)
保木 和明 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (70599026)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 気泡コンクリート / ピロティ構造 / せん断多質点系モデル / 地震応答解析 / 最大応答変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
低水セメント比の気泡コンクリートの建築構造への適用性の検討として、せん断多質点系モデルを用いたピロティ構造の地震応答解析を通じて耐震性能を検証した。検討対象建物は6階建てのRC造建物であり、1階がピロティで2階以上のすべての構面に耐震壁が配置された純ピロティ構造である。全階を圧縮強度が24 MPaの普通コンクリートのみで構成された「NC建物」と、圧縮強度が15 MPaもしくは23 MPaの気泡コンクリートが2階以上に用いられた「CC建物15」および「CC建物23」との結果を比較した(解析に用いられた気泡コンクリートの物性値には、前年度作成した供試体の実験値を代入した)。解析の結果、CC建物15およびCC建物23の最大応答変形は、NC建物より小さくなった。一例として、地動最大速度75 cm/sとした2016年熊本県益城EW波におけるNC建物の最大層間変形角が8.49%(崩壊変形に対して約39%の応答)となったのに対し、CC建物15の最大層間変形は5.64%(約24%の応答)、CC建物23が6.24%(約27%の応答)となった。この結果は、気泡コンクリートを用いることで建物重量が軽くなり、1階の層せん断力係数が増大したことによる。その一方、気泡コンクリートが用いられた2階以上の耐震壁にせん断破壊は確認されなかった。気泡コンクリートをピロティ構造の上層階に用いることは、最大応答変形上有利という知見が得られたといえる。また、CC建物15およびCC建物23の残留変形がNC建物より小さくなったことから、気泡コンクリートの適用によって残留変形を抑えることができる解析結果も得られた。
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