2021 Fiscal Year Research-status Report
Effect of light and thermal environment in long-term care facilities on behavioral and psychological symptoms of elderly people with dementia
Project/Area Number |
21K04369
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
長澤 夏子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70308188)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 認知症高齢者 / BPSD / 介護施設 / 季節変動 / 環境計測 / 温度 / 照度 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者の生活する室内の環境と、BPSDをはじめとする行動・心理症状との関連を明らかとすることを目的に研究を行なった。介護施設において1年間の環境実測と、定期的な認知症高齢者のBPSDアセスメント・行動や生理心理調査を行ない、室内の環境要因が認知症高齢者のBPSDに与える影響を定量化する。これにより今後のBPSDに対する環境的アプローチ手法の基礎的データとする。 本年度は、研究に先立って対象となる高齢者施設との研究契約、および、学内での倫理審査委員会に研究計画を諮った。対象施設と十分に連携をとりながら協力者の選定と依頼を行なった。その後、協力者とその保護者に対する同意など適切な諸手続きを行なった。 その上でコロナの状況を勘案しながら、高齢者施設のプランの確認と実測位置の検討、計測機器の手配と予備的実測、対象施設への設置を実施した。その後、冬季より環境実測調査と生理計測を開始した。 今後、被験者の生活行動・症状の観察記録(テキストデータ)の分析を行う予定がある。本研究に先立って、これまでに施設で記録されてきた生活行動・症状の観察記録(テキストデータ)を使って、分析手法の検討を始めている。 外部気温の季節変動と連動して、室内の環境状態が変化し、それが心理・行動に影響することが仮説として挙げられる。現在は、上記のデータの回収を行なっており、集まるのを待っているところであるが、季節変動と自律神経系の関連に関する既往論文調査などを並行して行なった。 冬季のデータやテキスト分析の予備的検討については、適宜学会などで発表をおこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの感染者数の増減があり、社会的な感染状況が悪化した時期や、介護施設で感染者が出た時期、ワクチン接種時期などとの関係で、研究契約の進捗、機器設置に伺うことができない期間があったこと、協力者と保護者への同意書の取得、などの遅れが生じて実測開始時期が当初予定よりも遅れた。 また、対象者の計測が不能になったケースもある。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定の、1年間の実測は確保できる見込みであることから、ひきつづきデータの回収をまつこととする。 また、対象者の計測が不能になったケースもあり、対象の変更なども検討している。 被験者の生活行動・症状の観察記録(テキストデータ)については、2020年度までも記録されてきたものがあり、分析手法の検討を開始してきたが、そちらの分析を本格的に実施する。 これらのデータは、施設室内の計測データと照らし合わせることはできないが、外部気象データや、季節変動をみるなど、本データが集まるまでの期間に、本論を補完するデータの分析を実施することができる。
|
Research Products
(2 results)