2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the Dampness Simulator to Quantify the Effects of Architectural Control Measures for Dampness
Project/Area Number |
21K04374
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
三田村 輝章 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (10406027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 兼一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (50293494)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ダンプネス / シミュレーター / アンケート調査 / 実測調査 / 建築的防除策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,これまでアンケート調査の回答に基づく主観的評価により定量化されてきたダンプネスの程度の評点を数値シミュレーションの結果から算出する「ダンプネスシミュレータ」を開発することである。 本シミュレータの核となる数値シミュレーションには,熱・換気連成計算が可能なシステム・シミュレーションツールTRNSYS18を用い,計算対象建物として戸建住宅モデルを取り上げ,計算条件として断熱・気密性能,冷暖房・換気設備などを設定した。また,数値シミュレーションの結果をアンケート調査の回答に基づくダンプネスの程度の評価項目と対応させて換算するモデルについて検討するために,冬期と夏期にアンケート及び実測調査を実施した。アンケート調査はインターネットを通じて実施し,調査項目は,従来のダンプネスの程度の評点を算出するための質問を中心にデザインした。実測調査はアンケート調査の結果から算出したダンプネスの程度の評点の高い住宅と低い住宅が含まれるよう選定した。実測項目は,居間と寝室における室内温湿度の他,窓ガラスの表面温度を測定することで,結露の発生等を把握し,アンケート調査との照合のための検証データとして利用した。 冬期においては実測結果から算出した結露の発生箇所数・発生時間・水量,予測カビ指数等とアンケート調査によるダンプネスの程度の評点を構成する各項目の評点を比較した結果,室内環境の物理量からダンプネスの程度の評点を評価することが可能であることを示した。夏期においては結露に関する評価が難しく,新たな評価方法が必要であることを明らかにした。また,構築したシミュレータを用いた計算を実施し,断熱気密性能の低い設定と高い設定で,それぞれダンプネスの程度の改善要因と悪化要因について明らかにした。その他,これまでの調査では明らかにされていない年間での長期的なダンプネスの程度の変動について試算した。
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