2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Lightweight BIM System for HVAC Design and Information Visualization
Project/Area Number |
21K04375
|
Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
許 雷 東北工業大学, 建築学部, 教授 (40367115)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | IFC / JSON / 軽量化 / ダクト / 設備 / 継手 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、BIM設計ツールの軽量化を目指し、2次元の線分・図形と高さ属性でオブジェクト指向のBIMデータに基づいて、空調設備システムの設計ツールを構築する。和4年度では、3次元JavaScriptライブラリThree.jsを用いてダクト設計における軽量型BIMツールを構築した。BIMツールの特徴は主に下記となっている。 1.2D作業面と3D作業面を連携しながら、給気口、ダクト及び空調機など設備要素を配置した。ダクトの設置高さと設備要素の高さを比較し、チーズやクロス管が自動的に作成され、設備要素の自動接続を実現した。ダクトとダクトが繋ぎ、上流側の空調機と接続されると、ダクトシステムが構築された。 2.空調機をシステムの始点と設定し、pythonプログラミングより空調機から下流側へダクトや設備と継手の接続手順を解析した。各ダクトの風量及びシステムの送風量を計算した。 3.データの保存とBIMデータの出力:軽量なデータ交換フォーマットであるJSONにより、設計したダクト設備やシステムの属性データを保存した。オープンソースIfcOpenShellを用いて、保存されたJSONデータをIFCクラスとして出力した。 また、IFCを活用した空調ダクトシステムの性能検証及び設備設計結果とBIM図面の連携に関する審査論文を2報Journal of Asian Architecture and Building Engineeringにて掲載され、それぞれの閲覧数は673回と711回である(R5年4月27日まで)。その他に、口頭発表などを5報発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
BIMソフトの軽量化、IFCデータの応用拡大を目指し、本研究これまでの進捗状況は下記の通りである。 1.初年度では、BIM国際規格IFCに基づいて設備データ構築と解析設備システム解析方法を提案した。クリティカルパスや設備系統の階層の解析方法を明らかにし、システムの観点から設備要素の解析、システムのパフォーマンスの評価を提案した。 2.二年目(昨年度)では、ダクト設計における軽量型BIMツールを構築した。3次元ライブラリThree.jsを利用し、ダクト設計用BIM設計ツールを構築した。2D作業面と3D作業面を連携しながら、給気口、ダクト及び空調機など設備要素を配置し、チーズやクロス管が自動作成より設備要素の自動接続を実現した。また、ダクトシステムが構築され、各ダクトの風量及びシステムの送風量を計算した。さらに、設計したダクト設備やシステムの属性データをJSON形式で保存し、IFCへの出力を実現した。 3.設備会社を対象として、BIMソフトの需要などについてヒアリング調査を行い、タブレット端末(iPad)にも使える軽量型BIMの重要性を改めて確認した。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで二年間の研究成果を踏まえ、最終年度では、下記の推進方策に基づいて、提案した軽量型BIM設計ツールを実現する。 1.ダクトの算定・抵抗計算の実現:ダクトの摩擦損失に基づいて、ダクト寸法を計算し、ダクトシステムの圧力抵抗を計算する。また、システム的な観点から、クリティカルパスの圧力損失や経路別・階層別ダクトシステムの圧力バランスの計算を実現する。 2.外部BIMライブラリとの連携の強化:NBS(英国)や設備メーカーのBIMライブラリとの連携を実現し、設備の属性データの自動更新、ダクトの算定・抵抗計算に活用する。 3.BIMデータ軽量化の定量評価:ifcJSON規格を参照し、保存したJSON形式データの軽量化を実現する。既存BIMソフトと比較し、定量的にBIMデータ軽量化を示す。 4.開発したBIMツールの有効性評価:設備設計者・施工者へのヒアリング調査などを通して、提案したBIM設計ツール操作性を有効性・操作性・実用性を評価する。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の影響で、海外への学会発表ができなかったため。今年度では、博士後期課程の学生を引率して、スペインにて開催されるBuildingSMART学会の国際会議に参加する予定である。
|