2022 Fiscal Year Research-status Report
自己位置推定技術とロボット技術を活用した建築環境把握システムの開発および実証実験
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21K04376
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Research Institution | Ashikaga University |
Principal Investigator |
仁田 佳宏 足利大学, 工学部, 教授 (10318834)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | UGV / 環境計測 / 温度分布 / MEMSセンサ / SLAM / ロボット / 点群データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2年目となることから、1年目の大学構内における計測実験結果などから得た知見を基に整理を行った様々な問題点や課題点に対処することにより、実用性および利便性の高いシステムとなるように改良を行っている。 まず、より使いやすいUGVのためのナビゲーションアルゴリズムの提案を目的として、SLAMによらないARマーカーとLiDARによる自律走行のためのナビゲーションアルゴリズムを開発している。開発したナビゲーションアルゴリズムは、ARマーカーによりUGVに様々な指示を与えることができ、LiDARによる計測結果を用いることで、壁面に沿った直進走行を行うことができる。提案したナビゲーションアルゴリズムの有用性については、実証実験により確認している。 次に、建物屋内の現況を把握する目的で、深度カメラとVisual SLAMを用いて3次元点群モデルを作成できるシステムを開発し、校舎内を対象とした実証実験により、有用性を確認している。 最後に、対象物の高さに応じたバルーンの高度調節の自動化について検討を行っている。検討では、まずバルーンの浮力を利用する方法とバルーン部分を飛行船に置き換え、自律移動させる方法の2つを検討し、バルーンの浮力を利用した方がバルーン内のヘリウムによる楊重荷重を有効に利用できることを確認している。また、バルーンの係留索の自動調整についても検討を行っているが、自動繰り出し装置の作成にはまだ至っていない。 本年度の成果の一部は、建設ロボットシンポジウムにて、「SLAMを活用した温度計測」という題名で学会発表を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象物の高さに応じたバルーンの高度調節についての自動化について、いまだ検討段階にあり、この部分については、やや遅れている。 ただし、ARマーカーとLiDARを用いた簡便なUGVのナビゲーションアルゴリズムについては、開発を行い、実証実験まで行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、最終年度であることから、1年目および2年目の研究成果を整理するとともに、特に図書館やホールなどの大空間に適した空間的な環境状況把握ができるシステムの確立と実用化を目的として行う。大空間を対象とすることから、2年目までに開発しきれていない対象物の高さに応じてバルーンの高度調節を行うシステムについて、追加で検討を行い、簡便な機構及びシステムの開発を行う。また、2年目となる昨年度の研究成果を活かして、深度カメラとVisual SLAMによるシステムで作成した3次元点群モデルの有効的な活用方法についても検討する。この検討においては、3次元点群モデル内への温度計測結果の表示方法やUGVやバルーンの3次元点群モデル内への経路の表示方法について検討する。また、UGVのナビゲーションアルゴリズムについては、提案しているARマーカーとLiDARを用いた簡易なナビゲーションアルゴリズムと一般的にUGVによく用いられているSLAMによるナビゲーションアルゴリズムとの比較検討を行う。最後に、これまでの研究成果をまとめ、簡便で効率的なシステムの提案を行う。
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