2021 Fiscal Year Research-status Report
機械学習によるカメラ画像を用いた着衣量・代謝量推定に関する実証研究
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21K04382
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
金 政秀 武蔵野大学, 工学部, 教授 (90598244)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 着衣量 / 代謝量 / カメラ画像 / 機械学習 / 駅前地下街 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目(2021年度)は地下街の通過者の着衣スタイルを観察調査した後に「着衣量」推定の機械学習モデルの構築を行った。 地下街として東京駅地下街である八重洲地下街のメインアベニュー(人通りが一番多い通路)を対象とした。実施期間は、6月~12月の間で平日と休日合わせて計8日分行った、いずれも1日の調査で、人通りが多い通勤時間帯の朝の9時、ランチタイムの12時、退勤時間の17時にそれぞれ15分間3回撮影を行った。 調査分析の結果、1)通過者の合計人数は平日朝の時間帯(9時~)が一番多く、11/8が最大で862人であった。平日の男性着衣スタイルはオフィススタイルの通過者の割合が非常に多かった。 2)半屋外空間であるため、地下街は空調され室温は平均17度(朝昼夕の3回平均)で維持されているが、外気温度は5.7度(朝昼夕の3回平均)と低下しているため、アウター着用率は高い状態で、例えば12月18日の9時の時間帯では98.9%の着用率であった。 3)着衣スタイルは、地下街の観察を行った結果、男性10種類、女性20種類とした。それぞれ約150枚の画像計4,500枚を学習データセットとして準備した。GCP(Google cloud platform)を用いたAIの画像分析で、この男女の全30種類の着衣スタイルで正解率は70.4%、平均適合率は79.2%(正と予測したデータのうち実際に正であるものの割合)となった。しかし、「女性カーディガン+ズボン」が最小適合率37.5%であったため学習データセットの改善が必要だと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目(2021年度)に主に行った画像から着衣量を推定する機械学習を用いたプログラムとしては以下の手順となる。 1)地下街の通過者を動画撮影、2)撮影した動画を10秒毎に静止画に書き出し(1時間で3,600秒→360枚/時間)、3)静止画内の人物を物体検知し、背景から切り出す、4)人物の着衣スタイルを分類(AI(機械学習))※分類数は地下街の調査から分析、5)着衣スタイルからクロ値を表から読み取る。 4)の精度は、「研究実績の概要」に述べた通りであるが、1~5)まで行えるpythonプログラム構築が行えた。2022年度は、継続して地下街の観察を行いつつ、着衣量推定プログラムの精度向上を図るが、全体的に順調に進展している。 一方、画像から代謝量を推定するプログラム構築は、研究計画自体は策定されているが、2023年度に研究を着手する予定であり、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目(2022年度)は、昨年度の継続として、精度が高い学習データセットを構築することで着衣量推定の精度向上を行う。 また代謝量推定のプログラム開発に着手する。代謝量推定は、運動量(=体重×速度)と代謝量に相関関係があるという仮設に基づき、まず画像から1)体重を敵対的学習(Adversarial Learning)を用いて全身画像から全身3Dメッシュモデルを作成することで推定、2)速度は、骨格検知により重心の移動距離と時間から推定する。ここで、運動量と代謝量の相関関係については実験室実験で検証を行う。また、体重推定で、衣服の状態が誤差が課題となるうる。例えば、厚着の場合は、体重が大きく推定されるため、誤差確認が必要であると考えている。これらの点に留意して、研究を推進する計画である。
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Causes of Carryover |
全体の研究費が当初の申請額より減額しているため、1,408千円で購入を予定していた代謝量測定装置である「ウエアラブル型呼気ガス分析装置」を購入を見送ったため、差額が生じた。研究内容の状況に応じて予定通り購入するか、もしくはレンタルや他の機器で代用するかを2年目以降に判断する。
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