2021 Fiscal Year Research-status Report
可変性を内包した段階的土地利用計画と低未利用地の創造的管理活用による都市の成熟化
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21K04394
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
原田 陽子 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (00377475)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 可変性 / 段階的土地利用計画 / 低未利用地 / 創造的管理活用 / 都市の成熟化 / 空き地 / 暫定利用 / 小規模混在型 |
Outline of Annual Research Achievements |
①福井市市街化区域における未利用地の分布実態と未利用地所有者の意向把握を行なった。また、福井市に対して、調査結果の報告会兼意見交換会を実施し、低未利用地の活用に関する意見交換を実施した。
②福井県あわら市の非集約エリアに位置する X 団地を対象として、 (1)不在地主への未利用地の管理・貸与・寄付に関 するニーズの把握、(2)居住者への未利用地の管理・活用に関するニー ズの把握、(3)アンケート結果と共に、地元の居住者組織との意見交換を 実施し、非集約エリアの住宅地における居住者組織による不在地主所有の未利用地の管理・活用可能性を検討した。
③2021年9月より福井市中心市街地に位置する新栄地区を対象に、「小規模混在型での保全的更新」を目指して地権者からなる「新栄の未来を考える会」やまちづくり福井、福井市、専門家等と継続的に事業実施の可能性を模索している。具体的には、2週間に1回、「新栄の未来を考える会」のメンバーと共に、勉強会兼打ち合わせを行うと共に、2022年1月には、真野洋介先生(東京工業大学)と野田明宏先生(住まい・まちづくりデザインワークス代表)による講演会兼意見交換会を実施し、2022年3月にはテナントとの意見交換会を実施した。これによって、小規模な共同建替や複数物件の共同化によるリノベーションなど具体的更新手法や空間、機能の検討を行うと共に、地権者やテナントへのヒアリング調査なども行いながら、新栄地区の持つ独特の雰囲気や魅力を継承しつつ、新栄地区全体としての課題の改善やまちの価値も高められるような創造的な空間や活動の展開について検討を行おうとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新栄地区における具体的な更新に向けた活動は、当初、本研究の3年目を予定していたが、状況的に、2021年度から動き出した方が良いと考え関わっていくと、地権者、まちづくり福井、自治体、専門家、テナントなど、思っていた以上に協力者が増え、地元からの支援や期待も受けて活動を進めることができている。 なお、研究と実践の両輪で研究を進めることは、より深く具体的な考察を得られると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
可変性を内包した段階的土地利用計画と低未利用地の創造的管理活用による都市の成熟化について、条件の異なる複数の地区を調査対象とし、またいくつかの切り口で研究を進め、2021年度の調査結果をさらに発展させたい。 また、新栄地区については、2022年度以降、複数の地権者の連携による小規模混在型でのリノベーションや建替の動きが出る見通しであるため、地権者をはじめ関係者と密に相談しながら、実践的にも役立てられるような研究として進めていきたい。
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Causes of Carryover |
当初、国内外の出張を予定していたが、コロナウィルスの感染状況により、出張を見合わせたため、次年度使用額が発生した。一方で、2021年度には、当初予定していたよりも早く、福井市新栄地区での具体的な活動を動き出すことができ、今後は、専門家も招いた実践的検討を行いたいため、次年度使用額をそうした費用にも充てたい。いずれにしても、2022年度には、感染状況も踏まえつつ、次年度使用額を有効に活用していきたい。
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