2021 Fiscal Year Research-status Report
木造住宅生産における職方の多能化に向けたジョブコーディネーションのモデル構築
Project/Area Number |
21K04396
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
角倉 英明 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (50512654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 史郎 国立研究開発法人建築研究所, 建築生産研究グループ, 主任研究員 (70749209)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 木造住宅 / 技能者 / 多能工 / ジョブコーディネーション / 意向 / 満足度 |
Outline of Annual Research Achievements |
建築をつくる社会では、常に建築需要に的確に応えられる生産体制が求められるが、近年技能者の不足が深刻化し、需要への対応力の低下が危惧されている。また、既存建物の修繕・改修への需要が高まっており、これらの工事において高い現場生産性を発揮できる生産体制に転換していくことが期待されている。こうした中で建築生産の方向性について議論するためには、人的資源の有効活用の面から再び注目され始めている多能な技能者や施工チーム(以降、これらを職方と略称)に着目することは極めて重要である。しかし、その実態は体系的に整理されておらず明らかではない。そこで本研究では、建築市場の主要なセグメントである木造住宅生産を対象に、職方の多能化の実態を明らかにすること、多能的な職方のもたらす現場生産性への影響を検討した上で、職方が多能的になるように整理した“職方のジョブコーディネーション”のモデルを構築・提示することを目指すものである。
初年度は、Covid-19の感染の影響によりヒアリング調査などの実施が遅れたが、大工などの職人に対して職人としての働き方と多能工へ意向を明らかにするためのアンケート調査を行った。その結果、職人の仕事に対する満足は、仕事の楽しさが重要であり、一方で収入は低いことが分かった。また、仕事の品質を高めることを望んでいることが分かった。単能工と多能工とでは、技能者の理想像に違いあることが分かり、ジョブコーディネーションにおいては多様なあり方を提示していくことが重要であると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、フィールドリサーチを基本にしているが、Covid-19の感染状況と行政による措置(緊急事態宣言や蔓延防止措置など)により、多能的な職方編成の実態に関するヒアリング調査の実施が遅れたため。その一方でアンケートによる補足調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はフィールドリサーチを基本としている。COVID-19の感染状況により職人や多能工に関連する実地調査やヒアリング調査の進めやすさが変わるものの、当初の研究目的を達成するために、引き続き調査手法などを工夫しながら、調査・分析を行いながら研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
2021年度は、COVID-19の感染およびその拡大があったため、本研究の目標達成に重要なフィールドリサーチを実施することが難しい状況にあった。そのため、一部の調査を停止または延期せざる得なくなったことが、次年度使用額が生じた理由である。 この事態を受けて、引き続きCOVID-19の感染状況を考慮する必要性は残るものの、2022年度以降に停止・延期した調査を順次行う予定である。
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Research Products
(2 results)