2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K04408
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
小菅 瑠香 芝浦工業大学, 建築学部, 准教授 (50584471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 慎介 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70335123)
小林 健一 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (80360692)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 医療施設 / 環境表面 / 院内感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「環境表面」というキーワードを中心に、医療施設の院内感染がどのような行動や建築との接触によって引き起こされる可能性があるかを探るものである。2023年度はCovid-19の波が続く中でも、3病院で調査協力を得て、詳細なアンケートおよびヒアリングを実施した。 現在の総合的な感染対策に気を遣う医療施設が多い状況で、接触感染のみを取り出して建築空間の使われ方の調査を実施することが困難なため、現地においては飛沫感染・エアロゾル感染も含めて、近年行った感染対策や具体的な感染者・非感染者・スタッフ動線設定について、取材と当該箇所の撮影・記録を実施した。調査においては感染の波を期間ごとに分けて、時期ごとの対応を時系列に質問した。いずれの病院においても、訪れる感染者の数や程度に応じて動線や空間用途を柔軟に変化させていたが、その内容は諸室レイアウトにも大きく関係しているため、千差万別である。時間の経過に伴って感染ルートが解明されてくると、一時期行われていた過剰な対策を休止していた。本調査の感染者対応についての結果の一部をまとめて、年度末に一般社団法人日本建築学会大会への投稿を行った。 また同じく年度末に、今後実施する患者の行動シミュレーションなどの調査について、特定の病院から調査協力の承諾を得て、調査計画を見直した。病院との予備的な話し合いやプレ調査から、外来診療部で患者が建築の環境表面に接触する機会はかなり限定的であることが予想されたため、より意義深い結果が出せるよう、幅広い調査手法を提示して検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid19の感染防止対策のため、医療施設に調査協力を得るために時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画として、2021年度の実施状況報告書に記した通りCovid-19感染拡大による研究スケジュールのひっ迫から模擬実験室を用いた実験は困難と判断したため、同内容の患者行動のシミュレーションを実際の医療施設現場で行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
医療施設側のCovid19の感染防止対策のために、実施出来なかった訪問調査等が次年度に繰り越された。前述した研究計画の変更については特に経費に関係するところはないが、追加のヒアリング旅費や調査備品などの出費が次年度となる予定である。
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