2021 Fiscal Year Research-status Report
北京旧城における大雑院の居住環境の形成プロセスの解明とその持続的改修設計手法
Project/Area Number |
21K04418
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
川井 操 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (10721962)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 雑院 / 四合院 / 形成プロセス / 北京 / 土地所有 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、コロナウィルスの蔓延により、北京への渡航ができなかった。そこで、研究協力者の松本大輔氏に現地調査の依頼をした。調査した内容は、北京市2環内にある19軒の雑院の平面図実測調査、賃貸価格、建築形式、構造、面積、改修の有無、である。 建築形式は、切妻平屋型16軒、切妻2階型2軒、陸屋根平屋型1軒で、そのほとんどが切妻平屋型である。構造形式は、木造+煉瓦壁12軒、煉瓦壁7軒である。 改修の有無は、改修有13軒、改修無6軒である。改修無の1平米単価は152.3元、改修有の1平米単価は172.8元であり、改修有が20.5元ほど高い。 雑院の19軒のサンプルから、平米単価の賃貸価格は決して安くはないものの、極小空間のためにトータルとして安価な物件であるといえる。また極小空間の工夫として、一部の物件では、ロフトを設けたり、キッチンを除いたりして居室面積を確保している。 現在、一件の雑院物件の改修を進めている。ここで試みるのは、①居住空間の改変、②敷地内で共有されるインフラ設備(排水管)の入れ替え、である。①については、雑院増築によって失われた採光をトップライトによって確保すること、居室面積を補うためにロフト的な2階を設ける。②について、敷地内の共有部となる通路に下水管が埋め込まれている。現況調査によって、下水管の水勾配が足りておらず、頻繁に管の途中で詰まるトラブルが発生すること、また径のサイズが小さためにトイレが小便の用途に限定されることがわかった。下水管を取り換えることを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響によって現地調査を行えていない。それによって具体的な調査や文献資料の収集が当初より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現地カウンターパートである松本大輔氏と連携して、雑院に関する現地調査・文献収集を進めていく。 さらに、
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、当初予定した調査計画に大幅に変更があったため、翌年度への繰越が生じた。
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