2021 Fiscal Year Research-status Report
全室暖房完成時代のエンプティネスト期を迎えた住宅からみる寒地住宅の新たな可能性
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21K04430
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
真境名 達哉 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (80333657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 洸毅 八戸工業大学, 工学部, 講師 (30845764)
山岸 輝樹 日本大学, 生産工学部, 准教授 (50736155)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エンプティネスト / 高断熱高気密住宅 / ライフコース |
Outline of Annual Research Achievements |
エンプティネスト(以降、EN)後すぐの世帯を「EN初期」、EN発生後10年以上経っている世帯を「EN中期」と定義し、苫小牧市に住むこれらの世帯にアンケートを行う。余剰室である元子供室の状況や夫・妻の専用室、住まい方や意向を尋ね、比較を行い、元子供室の利用状況について記述する。具体的には、EN初期の484世帯とEN中期の424世帯を対象としたアンケート調査(回収率8%)を行った。 結果としては、元子供室の利用において、EN初期に比べEN中期では子供の帰省頻度が減り帰省時の元子供室の利用も減少する。また、子供の私物の量も減少している。元子供室の利用についてはEN初期からEN中期にかけ夫婦それぞれの専用室利用が増加し、専用利用が無い場合でも一時利用が増加していることが把握された。また、夫・妻自身のライフイベントは夫・妻の領域変容にあまり影響しないが、子供のライフイベントが進むことで夫・妻が領域を拡大する動きがみられた。これは、子供のライフイベントが起きていく過程で夫・妻が元子供室を巣立った子供のために残さなくてよいというある程度の気持ちの整理がつき、夫・妻は自身の領域の獲得に乗り出すと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北海道の事象把握は全国における調査の比較を行う基本事項であり、大まかには、E.N後の室内利用に関わるであろう事象について、大まかな関連などが把握できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は青森県および千葉市での調査を行い、北海道での調査との比較分析を行う。調査に関しては、特に就寝に関して、空き室の活発な利活用の傾向が見られたため、その項目に留意して行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、一部調査の縮小などが生じたため。使用計画としては、昨年度、やや不十分となった北海道の調査について、調査分量などを増やすことを計画している。
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