2023 Fiscal Year Annual Research Report
全室暖房完成時代のエンプティネスト期を迎えた住宅からみる寒地住宅の新たな可能性
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21K04430
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
真境名 達哉 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (80333657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 洸毅 八戸工業大学, 工学部, 講師 (30845764)
山岸 輝樹 日本大学, 生産工学部, 准教授 (50736155)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子供室 / 寒冷地 / 全室暖房 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に行った調査は2点となる。北海道北見市の訪問調査では、建設年数1993〜97年の戸建て住宅20戸を対象に詳細な訪問調査を行った。巣立った住宅で、子供が宿泊しない割合は36人の子供中7で、これらは市内に住宅を持っているためである。興味深い結果としては、何も使用されない元子供室は3/31 件とかなり少ないこと、また元子供部屋への⼦供の宿泊の有無に関わらず、父母の利用の多さははほとんど変わらない。 また「子育て期終了後の住まい方」について築年数20-30年経過を目安に、千葉県佐倉市(配布836件、回収133件、回収率16%)千葉県東金市(配布677件、回収65件、回収率10%)でアンケート調査を行った。回答数198件のうち、子供が全員巣立っている住宅は115/190件存在している。調査では、10年前からの変化を分析しているが、北海道調査(2021-2023)と比べ、就寝状況の変化がないが105/198件、元子供室をよく利用しているが141/198件で異なる。また佐倉市(6件)東金市(3件)については個別でヒアリング調査を行った。居住者の多くは、7,80代だったが、子どもの巣立ち後の時間が長いと子供私物の処分が行われること、また、インドア的な趣味ができると元子供室も積極的に利用する一面も捉えている。 昨年度までの調査では、巣立ちの初期・中期を対象に調査することが多かったが、今年度は巣立ち後期の居住者が主な対象とした。初期・中期では、夫婦による元子供室の積極的な利用はあまり見られなかったが、後期では元子供室の積極的利用が見られた。つまり巣立ち前の子供を中心とした住宅から、夫婦中心の住宅利用になるまで、かなりの時間が見られるが、それでも元子供室の積極的な利用が広範に見られたことは、住み替えの少ない日本の持ち家において空間利用の大きな変更を意味すると思われる。
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