2023 Fiscal Year Research-status Report
Qualitative description of the sequential change of the environment based on optical flow
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21K04434
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
稲上 誠 群馬大学, 大学院理工学府, 特任助教 (40597803)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 移動 / 環境の記述 / シークエンス / オプティカルフロー / 生態学的視覚論 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度には,国際生態心理学会の会議(第21回 知覚と行動に関する国際会議)に参加し,研究成果の発表を行なった.発表内容は環境の記述法の紹介のみであったが,生態学的視覚論に基づき開発した記述法ということもあり,予想していたよりも多くの参加者から意見を聞くことができた.特に,アイソビストやスペースシンタクス(どちらも,長い歴史をもつ環境の記述法)に詳しい研究者と議論する機会があり,今後の研究の進め方に関する助言を得るだけでなく,本研究の意義を再確認することができた. また今年度は,記述法の有効性を検証するための実験の準備を進めた.具体的には,視線計測機能を内蔵したヘッドマウントディスプレイを利用して,実験を行うための環境を構築した.360度カメラで撮影した環境の映像を提示し,頭部と視線の方向をデータとして記録できるようにした.さらに,キーボードの上下キーによって,開放感や圧迫感などの印象を連続的に評定できるようにした.しかし,この方法では各時点の評定値が確認できないため,時間が経つにつれて評定の基準が変化する可能性があり,何らかの対策が必要である. 以上の作業と並行して,環境と印象の連続的な変化を分析する方法についても検討した.様々な時系列解析の手法を学習した上で,再帰定量化解析や交差再帰定量化解析が有効であると判断した.公開されているRやMatlabのライブラリーの動作確認を行い,解析を行うための環境を用意した.時系列解析により人間と環境の動的な相互作用を捉えることが可能になるので,建築計画学や環境心理学にとって意義のある成果が得られると期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
勤務先が別の大学に変わり,本研究を進めるために十分な時間を確保することができなかった.また,研究環境も変わったため,実験の内容や進め方について再検討する必要があった.
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長したので,令和5年度に予定していた実験を次年度に実施する.ヘッドマウントディスプレイを用いた実験環境は準備できたので,それを使用して2種類のデータ(開放感・圧迫感の評価,距離の知覚)を収集する.1回の実験で両方のデータを取得することにより,効率的に研究を推進する.
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Causes of Carryover |
予定していた実験を行わなかったので,そのための費用が次年度使用額となった.次年度にその実験を行うので,実験参加者に支払う謝金や,人材派遣会社に支払う代金として使用する.
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