2021 Fiscal Year Research-status Report
Methods of Conversing Non-urban Lands for Shrinking Urban Planning
Project/Area Number |
21K04438
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小林 剛士 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40553160)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非都市的土地利用 / 立地適正化計画 / 都市機能誘導区域 / 集約型都市構造 / 地方都市 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は研究基盤の整備として、主に研究対象都市のデータ整備を行った。まず、令和3年4月時点で立地適正化計画を作成した都市の内、国土数値情報より同計画で設定された都市機能誘導区域が確認できる都市を対象として、都市的土地利用細分メッシュデータを取得した。取得データより、都市機能誘導区域内に含まれる100mメッシュデータを抽出し、同データを土地利用ごとに集計し、都市機能誘導区域内の土地利用状況を整理した。 次に抽出データより、低未利用地に該当する農地、その他農地、荒れ地、駐車場についてその発生件数と分布状況を確認した。ここでは農地、その他農地については都市の集約化を目指す区域内において、非都市的土地利用と位置付けて整理した。また、大規模な非都市的土地利用の発生が確認できた都市について、地図上にてその位置と集積状況等の詳細を確認し、発生地周辺の土地建物利用状況、交通基盤整備や土地区画整理事業等の都市整備の状況、都市計画マスタープランや立地適正化計画における計画方針などを整理した。最後に、非都市的土地利用のメッシュ数を外的基準、人口、主要都市施設からの距離、地域地区の指定状況等を従属変数とした数量化II塁分析を行い、得られた相関係数より4種類の非都市的土地利用の発生について影響を与える要因を考察した。またクラスター分析によって非都市的土地利用の発生要因が類似する都市群に分類し、都市群ごとの都市規模、計画方針等の特徴を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた初年度の分析についてはおおむね遂行することができた。しかしながら、分析結果の精度の検証と研究内容の発信については不十分であった。 その理由として、第一に研究対象とする都市数が当初想定以上に多くなったことで、データ整備に多くの時間を要したことが挙げられる。また、非都市的土地利用の発生が顕著にみられた都市については各自治体の計画策定業務担当者へのヒアリングや現地調査による考察の裏付けが必要であったが、感染症の予防のため十分な調査を行うことができなかった。そのため、統計解析結果が対象都市の実態をどの程度正確に説明できているかが不透明であった。 第二に研究内容の発信について、同じく感染症の拡大予防のため十分にできたとは言い難いことが挙げられ、特に学外の専門家との意見交換が十分でなかったことで研究方法や結果の妥当性に疑義を残している。 第三に同じく感染症の拡大予防のため研究協力者からの研究作業の支援が十分に受けることができなかったことが挙げられる。データ整備に要する作業時間・作業人員の不足により、進捗に遅れが発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は立地適正化計画策定都市の非都市土地利用の発生状況とその影響要因を明確にしたうえで、発生地の周辺環境と土地利用方針を明らかにし、その活用の手法について対象都市の事例分析を通して整理する予定である。 2年目の達成目標に変更はないが、初年度に明らかになった研究課題については年度の前半において十分に取り組む予定である。具体的には、対象自治体へのヒアリングと現地調査を行う必要がある。 また対象都市について立地適正化計画策定都市の増加に伴い、随時追加する予定である。使用した国土数値情報についてもデータの不備が確認できたため修正整理が必要である。よって非都市土地利用の発生要因については、更新したデータを用いて再度統計解析を行う必要がある。 感染症の予防は依然必要であるが、感染状況の停滞と予防措置の緩和、オンライン作業の充実によって研究の遅れを十分に取り戻せることが予想される。
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Causes of Carryover |
2021年度は主に当初支出を予定していた旅費、謝金について、いずれもコロナウイルスの感染予防のため執行できず次年度使用額が発生した。 旅費については、研究対象都市の計画作成業務担当者へのヒアリングや現地調査の実施ができなかったこと、学会発表、学外の研究者との協議についてもオンラインでの実施と代えたことで未使用額が発生した。 謝金については、研究協力者のデータ整備に対する安全性の確保が困難であり、その業務依頼ができなかったことから未使用額が発生した。また、このことを受けて研究協力者のために準備予定であった作業環境(解析用PC、ソフトウェアライセンス等)への支出も次年度へと見送ることとなり、物品費についても予定通りには執行できなかった。 いずれも当該年度の研究の遅れにつながったため、2022年度は感染症蔓延の停滞と予防措置が緩和されている状況を鑑み、現地調査とデータ整備作業に対する謝金・物品の支出分について繰り上げて執行する予定である。
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