2022 Fiscal Year Research-status Report
Verification of learning effect on architectural space characteristic by simultaneous experience of virtual space with a large number of people
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21K04446
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
下川 雄一 金沢工業大学, 建築学部, 教授 (90308586)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 建築設計教育 / 没入 / コミュニケーション / 仮想空間体験 / ソーシャルVR / 会話分析 / 形式知 / 感覚知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新たな建築設計教育に関する研究の一環として、没入型VRとソーシャルVR(S-VR)を併用した多人数での没入型仮想空間体験(S-VR没入体験)が建築空間特性の理解に及ぼす影響を実践的に検証することを目的としている。 検証方法について、2021年度の研究成果を踏まえ変更も検討したが、結果的には2022年度も同様に、申請者が担当する大学院の授業(履修者11名)において、VRコミュニケーションによる建築作品に関する質疑応答を行い、その会話内容を分析した。授業内容としては、各履修者が興味を持ち、VR空間で体験してみたい建築作品をまず選定してもらい、授業前半では建築作品に関する調査に基づいたスライド発表と意見交換を実施し、授業後半では、新規に制作した同じ建築作品のVR空間内でS-VR没入体験による発表と意見交換を施した。 昨年度と異なる主な点として、デスクトップ発表を省きスライド発表とS-VR発表のみとした点やスライド発表とS-VR発表での質問者を同一とした点が挙げられる。これにより同一発話者であってもスライド発表時とS-VR発表時でどのように発言内容が変質するかの分析が可能となった。 授業後は、質疑応答の会話内容の分析方法の検討に主眼を置いて研究を実施した。具体的には、2021年度は会話構造ダイアグラムによる会話展開の可視化とGrounded Theory Approach(GTA)を用いた会話全体のカテゴリー関連図化という2つの方法で会話分析を実施したのに対し、2022度はいくつかの既往研究も参考にしながら、プロトコル分析の分類カテゴリーを今回の質疑応答の内容を確認しながら新規に作成した。また、R言語によるネットワークグラフ作成による会話構造の可視化方法についても併せて研究を実施した。 2022年度末の時点で、2022年度授業における質疑応答の全会話の半分程度の分析が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究における会話内容の分析活動においては、大学院生2年生の1名が修士研究の一環として研究を進めている。1名しか研究を進めている学生がいないことに加え、当該学生が大学院生1年生の後半から就職活動に時間を割くようになり、且つ就職活動が長期化したことにより、研究に遅れが生じていた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究体制に関して、上記した大学院生の就活も5月中旬でほぼ終了したことから、今後は研究活動を集中して取り組むことが可能となった。また、今後は他の学生にも本研究に加わってもらうことを検討する。
研究内容に関して、現在は2022年度の授業で実施した質疑応答の会話分析を7月までに終え、その後は2023年度の授業における会話分析を実施する。
一方、2023年度は授業で利用するVRコミュニケーションのプラットホームを大きく変更する予定であり、その技術的なVRコミュニケーション環境の実現方法についてもその有効性を分析する予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表において対面とオンラインのどちらかを選ぶことができたが、学生がオンライン発表を選んだため、旅費の支出が抑えられた。VR授業時の補助やデータの整理等でRA雇用を予定していたが、特に補助が必要なく、データ整理等も研究を担当している大学院生が修士研究の一環として実施してくれたので、RA謝金を支給する必要がなくなった。 上記に対し、今年度は授業時のVRコミュニケーションのプラットホームをハイエンドなゲームエンジン(UnrealEngine)ベースのものに一新する予定である。そのため、ハイエンドなグラフィックエンジンを搭載したPCやVRコラボレーション時の音声コミュニケーションデバイスを導入する。さらには、新しいハード・ソフト環境をテストしたり、授業時の補助も必要となるため、RAを数名雇用する予定である。
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Research Products
(7 results)