2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on unit conversion and drawing translation in construction activities in Meiji Japan
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21K04452
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
角田 真弓 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 技術専門職員 (20396758)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 明治期 / 建設行為 / 技術の輸入 / 単位換算 / 図面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はコロナウイルス感染対策による活動制限等により、当初計画通りに進めることが難しく、入手できる資料、文献などを中心に以下の分析を進めた。 ・ジョサイア・コンドル出題試験問題の分析 工部大学校造家学科教師時代(明治10年以降)の定期試験問題はヤード・ポンド法で出題されているが、卒業設計は尺貫法で設計されていることから、各年度ごとの定期試験問題および卒業設計図面における使用単位を分析した。 ・「ジョサイア・コンドル建築図面」の分析 京都大学他各機関が所蔵する「ジョサイア・コンドル建築図面」は図面集として刊行されており、ヤード・ポンド法と尺貫法、さらには内法と真々法が混在することが指摘されている。この成果を踏まえ、コンドル直筆および工部大学校学生による図面の使用単位を製図者と単位換算の痕跡を中心に分析した。 これらの分析により、従来「ジョサイア・コンドル建築図面」で尺貫法が用いられているのは日本人学生の図面中心であり、図面上でヤード・ポンド法から尺貫法へ換算された痕跡は確認できず、設計段階では正確な尺度換算は行われず、ヤード・ポンド法と尺貫法を単純に置き換えている可能性が推測された。さらに、このような現象は同時代の外国人建築家の現場では通常であったのか、実施設計の現場での状況を分析するために、以下の調査を進めた。 ・修理工事報告書の分析 既刊行の修理工事報告書のうち、外国人による設計の建造物を抽出し単位換算に関する情報の抽出を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症対策により本務先でのスケジュール変更および調査延期等があり、当初予定していた他機関への資料調査を予定通り実施することが困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度遂行することができなかった他機関所蔵資料および現存建築の調査を進めるとともに、当初計画の2年目に挙げた調査分析を進める。
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Causes of Carryover |
当初予定していた他機関所蔵資料の調査等が新型コロナウイルス感染予防対策により実施できなかったため。
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