2021 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of Surface Roughness Dependence on Rarefied Aerodynamics based on Hypersonic Rarefied Wind Tunnel Measurement and Molecular Dynamics Simulations
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21K04487
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
小澤 宇志 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (70567544)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 航空宇宙工学 / 希薄風洞 / 希薄気体力学 / DSMC / MD解析 / 極超音速流 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、極超音速希薄風洞実験と粒子数値解析・MD解析を行うことにより、極超音速希薄気体空力現象の計測手法を確立し、物質表面係数及び希薄空力の表面粗さ依存性を評価することによる希薄空力予測精度の向上を目的とする。MD解析によりミクロな視点で表面粗さ依存性現象を解明するとともに、極超音速希薄空力計測(希薄風洞計測と粒子数値解析を融合した手法)によりマクロな表面係数依存性を解明する。さらに、得られたデータを用いてより正確で新しい表面モデルを構築することで、数値解析による希薄空力予測精度を向上させ、大気突入カプセルや超低高度衛星等の軌道制御システムの信頼性の向上を目指すものである。今年度の主な研究の成果を以下に示す。 1. DSMC数値解析を行い、希薄効果・表面係数依存性を評価するための模型形状最適化を行った。透過型チューブ模型において、入口直径、出口直径、長さをパラメータとして、パラメトリックスタディを実施し、表面係数依存性の高い形状パラメータを決定した。 2. 極超音速希薄風洞において透過型チューブ模型を用いた圧力をキャパシタンスマノメータもしくはミニチュアゲージの電離真空計にて計測するシステムを構築した。今後、表面粗さを交換可能な透過型チューブ模型を製作し、数値解析結果と比較検証していく。 3. LAMMPS MDコードとナノ材料解析統合GUIソフトを組合せたMD表面反射解析コードを開発し、極超音速希薄風洞環境における粒子表面衝突を模擬した解析を実施した。表面係数が速度比が高くなるほど拡散反射比が高くなる定性的な結果を得た。今後は、ポテンシャル依存性を検証していくとともに、表面粗さによる影響を検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス感染症の流行のため、希薄風洞整備と数値解析コード開発・検証にわずかな遅れが生じたが、おおむね順調に進展している。 透過型チューブ模型のパラメトリックスタディをDSMC数値解析にて実施し、表面係数依存性の高い形状パラメータを決定した。その結果をふまえて,計画通り表面粗さの異なる複数の模型を設計・製作し、希薄風洞試験結果と数値解析結果を比較検証する予定である。 また、ミクロな視点で現象を解明するために、MD表面反射解析コードの開発を予定通り進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は下記(1), (2)を実施することにより推進する。 (1) 表面係数依存性の高い形状において、透過型チューブ模型を異なる表面粗さまたは材料で複数を設計・製作し、希薄風洞試験を実施することによって数値解析結果を検証する。検証結果から必要に応じて、模型形状の改善を図り、再検証を行う。 (2) MD表面反射解析コードを拡張することによって、表面粗さと表面係数の相関性を評価する。
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Causes of Carryover |
参加を計画していた国際学会が次年度に延期されたこと、数値解析用ワークステーションの購入を次年度予定としたこと、テストモデルの形状最適化は完了したが、製作については次年度製作予定としたことにより、費用の一部が来年度に持ち越された。 次年度は、国際学会に参加し、研究成果を発表するため学会参加費として使用予定である。また、テストモデルを設計・製作および改良、表面粗さ評価に向けた解析ツールの整備(ワークステーションの購入含む)、希薄風洞実験消耗品の調達に使用予定である。
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