2022 Fiscal Year Research-status Report
Measurement of Flow Fields and Aerodynamics of Transonic Three-Dimensional Biplane Using Light Field Optics
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21K04495
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
樫谷 賢士 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (80535279)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 可視化 / シュリーレン / 風洞試験 / 空力特性 / 超音速複葉翼 / ライトフィールド光学系 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,ライトフィールドカメラによる風洞実験への適用にむけた基礎実験,Staggerを持つブーゼマン複葉翼の空力特性に関する実験を実施した. ライトフィールドカメラによる風洞実験への適用に関する実験では,画像解析により流れ場の奥行方向の定量的な精度評価を実施した.その結果,本解析によると流れ場の位置検出精度は,物体検出より誤差が大きくなることが明らかになった. 次に,ブーゼマン複葉翼の遷音速における抵抗低減技術として,Stagger形態に着目し風洞実験を遷音速および低速風洞おいて実施した.遷音速風洞実験では,間欠式の遷音速風洞として衝撃波管を用いた.測定部は高さ150mm幅60mmの矩形である.また,Staggerを持つブーゼマン複葉翼の食い違い距離は,設計マッハ数1.7の翼間距離に対して0,0.25,0.5とした.主流マッハ数は0.6,0.7,0.8とし,レイノルズ数は衝撃波管の高圧室圧力を調整することで2.85x10^5の一定になるように調整した.迎え角は0°である.その結果,食い違い距離が大きくなると,翼間の速度および密度変化が緩和され翼の抵抗が低減することが実験的に明らかになった.さらに本実験では,翼間に発生する衝撃波の非定常な挙動をはじめて実験的に明らかにした.翼間衝撃波の非定常現象の解明は今後の課題である.また,低速風洞による実験では,測定部幅150mm高さ1500mmの低速風洞を用いた.Staggerによる食い違い距離は遷音速風洞の実験と同じで,風速15m/s,レイノルズ数は2.1x10^5である.実験では風洞天秤による空力計測を実施した.その結果,Stagger形態のブーゼマン複葉翼は迎え角30°まで失速しないこと,食い違い距離が大きくなると複葉翼の全揚力と全抵抗に対する下翼の割合が小さくなど新たな知見を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.ライトフィールドカメラによる三次元流れ場の画像解析により可視化/計測精度について定量的な評価を実施した. 2.ブーゼマン複葉翼の上翼と下翼の水平方向に食い違い距離を持つStagger形態の遷音速空力特性について風洞実験を実施した.食い違い距離が大きくなると,翼間の速度および密度変化が緩和され,抵抗が低減することが実験的に明らかになった,これにより,遷音速における抵抗低減にStagger形態が有効であることを実験的に証明した.さらに,翼間に発生する衝撃波の非定常な挙動を実験的に明らかにした. 3.ブーゼマン複葉翼Stagger形態の低速風洞による実験により,Stagger形態は迎え角30°まで失速しないこと,食い違い距離が大きくなると複葉翼の全揚力と全抵抗に対する下翼の割合が小さくなることが明らかになった.これは,複葉翼の上翼と下翼が同じキャンバーである一般的なStagger形態の空力特性と同じである. 以上のように,流れの可視化手法およびブーゼマン複葉翼の空力特性について成果が得られ,研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
1.遷音速におけるブーゼマン複葉翼の抵抗低減技術一つである,前縁および後縁フラップを展開した場合の流れ場特性の解明 2.風洞天秤による三次元複葉翼機の空力特性の検討
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Causes of Carryover |
研究の進捗により研究計画を再検討した.研究では多くの画像データを取り扱うため次年度はデータ解析装置の購入と国際会議での成果発表での予算の活用を予定している.
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